空き家を生かした「バイカーハウス」 中津市の工務店が改築プロジェクト【大分県】

バイカーハウスの完成予想図。リビングのソファに座って、ライトに照らされた愛車を眺められる。バイク用品を飾ったり、自分で整備したりするスペースも確保した
バイカーハウスに生まれ変わる築50年余りの木造の空き家。減築するため一部を取り壊す作業が進んでいる=中津市蛎瀬

 【中津】中津市福島の「いろは建築技巧」(植山拓也社長)は、空き家をオートバイのオーナー向けに改築する「バイカーハウス」プロジェクトをスタートさせた。市内蛎瀬にある築50年ほどの住宅を改築し、夏ごろをめどに完成させる。バイク乗りへのPRと家造りに生かすオーナーの「声」の聞き取りを兼ねたツーリングイベントを23日に開く。

 改築する木造一部2階の家は、ほぼ敷地いっぱいに建てられ駐車場がないため減築。バイク用ガレージ内蔵の1LDK(約70平方メートル)にする。ガレージはシャッター付き6畳程度(約10平方メートル)でリビングのソファから、ガラス越しに愛車を眺められるようにする。駐車スペースも確保する。

 地元に根ざした工務店として▽市内に約2400軒ある空き家問題の解決▽住まう人のライフスタイルに寄り添う家造り▽建築資材が高騰する中で新築に比べて安価な住宅の供給―を実現させる取り組みの一環。

 植山社長(38)自身も自動車レースに参戦していた時期があり、「ライフスタイルが多様化し、結婚しないという選択も人生の在り方の一つだろう。それなら思い切り趣味を楽しめる家を造りたいという声に応えたい」と話す。幅広い趣味への対応を計画している。

 プロジェクトに携わる社員の新福安菜さん(21)は、排気量250CCのオートバイのオーナー。「愛車をライトで照らしたい、キリッと格好いいガレージにしたいといった夢をかなえたい。そのために皆さんの意見を聞かせて」とツーリングへの参加を呼びかける。

 ツーリングは午前9時50分に同社事務所前に集合。中津、宇佐両市を4時間程度走る。昼食無料。参加申し込みが必要。雨天延期。問い合わせは同社の新福さん(0979.64.7070)。

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