GW旅行予約が復調傾向 栃木県内代理店 コロナ対策緩和で遠方も、4年ぶりの活況

来店客に対応する代理店のスタッフ(右)。遠方を含め旅行の予約が好調という=14日午後、宇都宮市池上町

 ゴールデンウイーク(GW)を前に、栃木県内旅行代理店では旅行予約が復調している。新型コロナウイルスの感染者数減やマスク着用ルールの緩和などが後押ししているとみられ、感染拡大以降では4年ぶりの活況という。前年に多かった関東近郊に加え、今年は京都、大阪、北海道や沖縄などの中距離や遠方を選ぶ人が増えている。県内の観光地も前年に比べ上向きだが、日によって空室が残る宿泊施設も。関係者は「残り2週間で旅行への機運が高まってほしい」と期待する。

 今年のGWは5月1、2の両日を休みにすると、4月29日から9連休となる。JTBの調査によると、同25〜5月5日に帰省を含め1泊以上の国内旅行に出かける人は前年比約53%増の2450万人の見通しだ。

 14日午前。宇都宮市池上町のJTB宇都宮店では、4席のカウンターが来店客で埋まった。榎田真由美(えのきだまゆみ)店長(44)は「感染リスクから旅行を控えていた高齢者の方々の予約が戻ってきた。1泊や2泊で気軽に行く方も多い」と歓迎する。3月中旬から相談を受け付ける来店予約は、ほぼ毎日埋まり「旅行需要が動き出している」。既に夏休みの予約も入り始めている。

 県内に拠点がある別の旅行代理店の担当者は「前年の8倍ほどの予約件数。急に来た波に職員が手いっぱい」とうれしい悲鳴を上げる。車を使った旅行から、飛行機を利用する形に変わってきていると指摘した。

 また、各社とも海外旅行の問い合わせも増えつつある。近場の韓国や人気のハワイの申し込みがある。一方、減便などの影響が続き、コロナ前に比べるとまだまだ回復途上という。

 GWは県内観光地もにぎわう見通し。ただ宿泊施設によって異なるが、現時点では連日“満室”とまではいかない模様だ。日光温泉旅館協同組合の赤澤正(あかざわただし)理事長(56)は、GWは県などの旅行支援が対象外となる影響を懸念。5月3、4の両日を中心に宿泊は埋まりつつあるが前半や終盤は空きがある宿もあるという。

 GWまで残り約2週間。那須温泉旅館協同組合の片岡孝夫(かたおかたかお)理事長は「予約を悩んでいる人たちの動きを期待したい」と話した。

来店客に対応する代理店のスタッフ(左)。遠方を含め旅行の予約が好調という=14日午後、宇都宮市池上町

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