岸田文雄首相が衆院和歌山1区補欠選挙の遊説時に爆発物が投げ込まれた事件から一夜明けた16日、自民党の菅義偉前首相(衆院神奈川2区)は和歌山市を訪れて同党候補の応援演説に立った。現職首相が昨年7月の安倍晋三元首相に続いて標的とされた事件に触れ、「民主主義への挑戦で絶対許されない行為だ。厳しく非難しておきたい」と語気を強めた。
菅氏は同日午後、和歌山市内2カ所で演説した。市内のホテルでは会場の大広間が約500人の支援者で埋まる中、警視庁のSP(警護官)や私服の警察官が配置され不審な動きがないか目を光らせていたほか、会場入り口にゲート式の金属探知機が設置されるなど警備は厳戒態勢を極めた。菅氏が徒歩で移動する際はSPらが常に身を寄せて守った。演説会場近くでは植え込みの中に不審物がないか調べる警察官の姿もあった。