<金口木舌>軟骨ソーキに沖縄の底力

 物の値上げが止まらない。店頭価格の変動が少なく「物価の優等生」と呼ばれた鶏卵も、3月末の県内卸売り相場でみると、Mサイズ1キロ当たり平均価格が前年比で165円増の385円と高止まり

▼原因は原材料価格や光熱費の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻、円安など。帝国データバンクによると、4月の食品値上げは5千品目近くに及ぶ

▼ここにも余波が広がる。安価で入手しやすく、沖縄そばの具材としても人気の豚の軟骨ソーキが品薄という。オキハムの担当者によると、国内の出荷頭数減少に加えて全国で需要が増えている

▼県外では主要部位ではなかったが、原料高騰の中で安い軟骨ソーキが注目された。大手外食チェーンではメニュー開発が進む。見向きもされなかった素材を一足早く特産品に育てた沖縄の底力を感じる

▼長時間煮込めばトロトロの食感がたまらない。あぶったり、わさびをつけたりと軟骨ソーキの食べ方はさまざま。そばじょーぐーにとって品薄は残念だが、沖縄の魅力を伝える「味の優等生」を応援したい。

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