小学生に駄菓子プレゼント 高齢者団体が健康づくり事業活用で、古座川町

商品券を「もりとよ商店」の森武志さん(右)に渡す「いきいきフレンド」の矢本脩さん=和歌山県古座川町高池で

 健康づくりの運動に取り組んでいる和歌山県古座川町高池下部地区の高齢者グループが、駄菓子を販売している地元商店の協力で、良いことなどをしてきた地区の小学生に菓子をプレゼントする取り組みを今月から始めた。原資は、活動に応じてポイントがもらえ商品券と交換できる「町いきいき健康づくりポイント事業」。グループ世話人の矢本脩さん(82)=古座川町高池=は「昔のように地域で子どもを育てるきっかけにもなれば」と話している。

 グループは2019年度から活動をしている「いきいきフレンド」。メンバーは現在15人で、毎週木曜に同町高池にある「津波避難総合センター」に集まり、健康づくりのための体操や脳トレなどに励んでいる。

 同町では「健康づくりへの習慣と関心を高めたい」などとして、21年度から町いきいき健康づくりポイント事業をスタート。健康診査やがん検診、町主催の運動教室、「いきいきフレンド」のような協賛団体の健康づくり事業などに参加すると1~10ポイントがもらえ、20ポイントに達すると町内の食に関連した店舗で使える商品券千円分と交換できる。

 いきいきフレンドでは、矢本さんがこの事業で得た商品券を原資とし、地区の小学生に菓子をプレゼントすることを提案し、メンバーも賛同。メンバーには千円分の商品券を提供してもらい、それを駄菓子や酒類、調味料などを取り扱う「もりとよ商店」に託し、地区の小学生が買い物に来た際、1カ月に1回50円分の駄菓子をおまけとしてプレゼントするようにした。

 その際、小学生は自分がした良いことや頑張ったこと、喜ばれたことなどを書いた紙を提出する。また、小学生の誕生日には、約200円分の菓子を届けることも計画している。

 このほど開かれた活動でポイントがたまった宮本和子さん(82)=同町高池=は「体力的に何かをしてあげるのは難しいけど、地域の子どもたちが喜んでくれたら」と笑顔を見せた。

 もりとよ商店の店主・森武志さん(47)によると、早速、紙に「料理を手伝った」「縄跳びで100回跳べた」などと書いて子どもたちが来店しており「『やったー』と、すごく喜んでいた。地域の子どもたちとお年寄りの絆が強まるきっかけになるのではないか」と話す。

 矢本さんは「地域の子どもたちは孫みたいなものだし、僕も子どもの頃にはおじいさんにお菓子をもらった思い出がある。自分たちが健康になってポイントで商品券をもらい、それを子どもたちのために使うことで喜んでくれたら、二重にうれしい」と話している。

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