F1オーストラリアGP主催者、レース進行中にコースへ侵入した複数の人物を特定。動機などを調査へ

 オーストラリアGPの主催者であるオーストラリア・グランプリ・コーポレーション(AGPC)は、メルボルンで開催された2023年F1第3戦オーストラリアGPのレース終了時にコースへ侵入した人物を特定した。このグループは今後、イベントへの出入りを禁止されるリスクがある。

 メルボルンのアルバート・パーク・サーキットで開催されたオーストラリアGPの決勝レース後、F1史上初めて、オーストラリアGPの主催者であるAGPCの代表者がスチュワードに召喚され、アルバート・パークで起きたセキュリティ違反とコース侵入について回答することになった。

 セーフティカー(SC)先導のもと、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をはじめとする隊列がチェッカーフラッグを受ける際、“大勢の観客がセキュリティラインを破り、レースがまだ進行中であるにもかかわらずコースに入った”のだという。さらに“大勢の観客”は、インラップ中にターン2でストップしたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のマシンに接近した。この時ヒュルケンベルグのマシンは“ライトが赤く点滅”しており、“安全ではない状態”だった。

2023年F1第3戦オーストラリアGP レース後、2コーナーでマシンを止めたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)

 これは国際競技規則第12条2項1.h条(『結果的に危険な状況となるような、いかなる危険な行為または適切な対策の不履行。』※編注:JAF公式サイトより引用)に明確に違反する行為であった。その後FIAはプロモーターに対し、“早急に正式な改善計画をFIAに提示する”ことを要求した。

 オーストラリアGPのゼネラルオペレーションマネージャーを務めるトム・モットラムは、メディアとの会合において、「我々は、グランプリ法だけでなく、我々の運営するメジャースポーツイベント法の下で、我々とビクトリア州警察の持つ権限を調査する」と説明し、制裁の可能性を示唆した。

「一度水門が空いたら、残念ながらその流れに乗って適切に管理しなければならない。しかし我々は、早いうちにコースに侵入した5、6人の人物を特定した。我々は彼らと話をしたい」

「決して許したり、受け入れたりできることではない。人々は、これが非常に危険な行為であると認識する必要がある。見解や動機は何なのか、彼らが悪意を持ってやったのかどうか、あるいは無意識のうちにいつの間にかそのような状況になったのかを突き止めるつもりだ。彼らと話す機会を得るまで、結論を急ぎたくない」

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