水戸市長選 中心市街地の活性化策争点 現新対決、8年前と同じ顔触れ

水戸市長選に立候補した大内久美子氏、高橋靖氏(左から届け出順)

統一地方選の後半戦のうち、茨城県内で3市長選と12市議選が16日、告示された。市長選は水戸と日立が現新の一騎打ち、取手は新人同士の一騎打ちとなった。日立は24年ぶりの選挙戦。市議選は水戸、日立、土浦、古河、石岡、結城、龍ケ崎、常総、牛久、鹿嶋、筑西、行方の12市で選挙戦に突入した。23日に投開票される。取手市議補選(欠員2)も告示され、新人2人が無投票当選した。

水戸市長選は、新人で元県議の大内久美子氏(73)=共産推薦=と、4選を目指す現職の高橋靖氏(57)がともに無所属で立候補し、現新の一騎打ちとなった。2015年と同じ顔触れ。選挙戦では、7月に開館する新市民会館の活用など中心市街地の活性化策のほか、人口減少対策、子育て支援策などが争点となる。

大内氏は同市白梅の党県委員会事務所前で約50人(陣営発表)を前に第一声。「暮らしや福祉、教育に優先して税金を使う」と述べ、大型公共事業の中止や給食費無償化の拡充、校舎改築などを訴えた。東海第2原発については「動かさないことが一番の安全」と、再稼働反対を強調した。

高橋氏は同市宮内町の神社で出発式を行い、支持者約100人(同)を前に、市庁舎建て替えなど4大プロジェクト、子育て支援など3期12年の実績を強調。小学校の給食費無償化や校舎の建て替えを進め、「選ばれる市に成長させる」と訴えた。農業を含む地域経済の活性化などを掲げた。

15日現在の有権者は22万5994人。

■予算配分の在り方で論戦
8年前と同じ顔触れで、現職と新人の対決となった水戸市長選は、予算配分のあり方や子育て支援策が争点となる。

無所属新人の大内氏は16日、選挙カーで市内全域を巡った。街頭演説で「値上げを繰り返す国保税、介護保険料、水道料金などは全て黒字。まず黒字分を値下げに使う」と力強く訴えた。

新市民会館については「上空通路へ充てた財源こそ、給食費を無料にできる税金。使い方を変える」と呼びかけた。

現職の高橋氏は同日、街頭演説で「水戸は人口減少都市となってしまった」と危機感を強調。学校の老朽化対策などの実績を挙げ、「『教育を受けるなら水戸』と発信したい」と熱弁を振るった。

防災面では2019年の台風19号被害を取り上げ、「いつ災害が起こるか分からない。命、財産を守る対策を進める」とソフト面充実の必要性を訴えた。

演説会場に足を運んだ市内の70代女性は「人柄をよく見たい。商店を経営しているので、地元経済を支えてくれる人に1票を投じたい」と話した。

■水戸市長選立候補者(届け出順)
大内久美子(おおうちくみこ) 73 無新
【略歴】共産党県委員会副委員長[元]県議当選5回、市議当選5回。茨城大養護教諭養成所卒。堀町 [共]
【公約】医療福祉の充実、子育て支援強化、大型公共事業中止、東海第2原発の廃炉、ジェンダー平等推進など

高橋靖(たかはしやすし) 57 無現(3)
【略歴】市長[元]県議当選2回、市議当選3回。明治大大学院修了。塩崎町
【公約】子育て支援、教育充実、地域経済の活性化、コロナ対策強化、健康づくり、福祉・医療・防災推進など

()内の数字は当選回数。略歴の末尾の[内は推薦・支持政党

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