ついに鈴木唯人がフランス・リーグアンにデビュー。しかもこの試合で素晴らしいゴールを決め、大きな話題を集めた。
ストラスブールといえば、フランスとドイツの国境にある街を本拠地とし、多くの選手を育ててきた育成の名門チーム。世界の舞台で活躍した選手も多く所属していた。
今回はそんなストラスブールでプレーした選手の中でベストイレブンを選出してみたぞ。
GK:ホセ・ルイス・チラベルト
国籍:パラグアイ代表
2002年の日韓ワールドカップでも大きな話題になったパラグアイの伝説的ゴールキーパー。動物的セービングに加えて自らフリーキックやペナルティキックで得点を狙う、世界でも有数の「二刀流」選手だった。
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彼がその日韓ワールドカップ時に所属していたのがストラスブールだった。2000年にベレス・サルスフィエルドからフランスへとわたり、リーグアンで2シーズンプレーした。2001年のクプ・ドゥ・フランス決勝ではアミアンを相手にPK戦で勝利しているが、最後のキッカーが彼であった。
右SB:イワン・ハシェック
国籍:チェコ代表
のちにサンフレッチェ広島とジェフユナイテッド市原でプレーすることになるチェコ代表選手。ミッドフィルダーとしての印象が強いものの様々なポジションをこなし、ストライカーやサイドバックとしても活躍した。
1990年にスパルタ・プラハからストラスブールへと移籍し、フランスリーグでも主力として大活躍。1部昇格に大きく貢献するなど、3年半に渡って中心的な役割を担った。1994年に日本へと移籍し、創設間もないJリーグでも3年で42ゴールを決めた。
CB:フランク・ルブーフ
国籍:フランス代表
フランス代表の名センターバックとして知られるフランク・ルブーフ。1991年から1996年まで長くストラスブールでプレーし、その活躍からレ・ブルーに招集されたという選手だ。PKのスペシャリストでもあり、ディフェンダーながら多くのゴールを決めた。
下部リーグのラヴァルでプレーしたあとにストラスブールへと引き抜かれ、6年でなんと50ゴール以上を叩き出すというディフェンダーらしからぬ成績でブレイク。その後チェルシーやマルセイユでも長くプレーし、フランス代表でも50試合に出場した。
ちなみにストラスブールでプレーしたセンターバックとしては、アーセナルで長く指揮を執ったアーセン・ヴェンゲル監督がいる。
CB:ヴァレリアン・イスマエル
国籍:フランス
チュニジア代表のカリム・ハギ、フランス代表のマルタン・ジェトゥなどと迷ったが、バイエルン・ミュンヘンでプレーしたという実績とストラスブールとの絆の強さからヴァレリアン・イスマエルを選んだ。フランス生まれでありながらドイツ・ブンデスリーガで活躍したセンターバックである。
8歳からストラスブールのユースで育ち、1993年にプロデビュー。1998年にクリスタル・パレスに引き抜かれ、そのあとRCランスを経て2001年にローンで復帰。そして一度ランスに戻り、1年後にストラスブールへと完全移籍した。なんと3回所属したという珍しい選手である。
そしてキャプテンとしてチームの中心になったあとヴェルダー・ブレーメンへと移籍し、後にバイエルン・ミュンヘンのメンバーになっている。
左SB:アルトゥール・ボカ
国籍:コートジボワール代表
左サイドバックはやや手薄な部分であるが、その中でもアルトゥール・ボカの実績は並外れている。コートジボワール代表では82試合に出場し、2回のワールドカップ出場、アフリカ・ネーションズカップ5大会出場など、ドログバらとともに同国黄金時代の選手である。
ASECミモザのユースでコロ・トゥレらとともに育ち、2002年にベルギーのベフェレンへ移籍。そして2004年にストラスブールへと加入し、小柄ながら破壊力ある攻撃的なプレーで「コートジボワールのロベルト・カルロス」と呼ばれるようになった。その後シュトゥットガルトでブンデスリーガ優勝も経験している。
CMF:オリヴィエ・ダクール
国籍:フランス代表
ASローマやインテルでプレーしたことで知られている。フランス代表MF。スキンヘッドの容姿と献身的な守備をベースにしたプレーで知られ、全盛期のイタリア・セリエAを彩る名ボランチとして名を馳せた。
彼がプロデビューしたのがほかならぬストラスブール。ユースから1992年にトップへ昇格し、1996年のオリンピックに出場するなど国内屈指の若手として成長。その後エヴァートン、RCランス、リーズ・ユナイテッドを経てローマに加入している。
CMF:モルガン・シュナイデルラン
国籍:フランス代表
ドイツ国境の街であるストラスブール。そのためアルザス語という独特の言葉が使われており、ドイツ語っぽい名前の選手も多い。その1人がモルガン・シュナイデルランだ。13歳からストラスブールの下部組織で育ち、2005年にプロ契約を結んだ。
フランスのユース代表でも主力となった期待の若手であったが、クラブが降格したため2008年夏にサウサンプトンへと売却された。その後プレミアリーグで活躍を見せ、2015年にはマンチェスター・ユナイテッドへ引き抜かれることに。
攻撃的MF:イヴィツァ・オシム
国籍:ユーゴスラヴィア代表
アレクサンドル・モストヴォイという候補もあったが、日本で選ぶのであればやはりイヴィツァ・オシムをあげたほうがいいのかもしれない…と選出した。ジェレズニチャールで活躍したあと、1970年にストラスブールへと加入した。
エレガントな攻撃的MFであったオシムは中心選手の一人として活躍し、2年後にスダンへと移籍。そしてヴァランシエンヌを経て1976年にストラスブールへ復帰して現役引退している。
攻撃的MF:ユーリ・ジョルカエフ
国籍:フランス
ポーランドとロシア系モンゴル人の血を引く父とアルメニア人の母の間に生まれたユーリ・ジョルカエフ。グルノーブルの下部組織が生んだ名選手として知られているが、彼が名を上げたチームの一つがストラスブールだ。
1989年にストラスブールと契約すると、なんと2部で28試合21ゴールと大活躍。その後モナコに引き抜かれてフランス屈指のアタッカーとして評価されるようになった。代表ではジョアン・ミクーとともに「ジダンのサブ」にはなってしまったが、90年代の名ファンタジスタといえる存在だ。
FW:カルロス・ビアンチ
国籍:アルゼンチン
ボカ・ジュニオルスなどを率いた監督としてのほうが知名度が高いかもしれないが、カルロス・ビアンチはフランスリーグの歴史上でも屈指の名ストライカーだ。スタッド・ランスとパリ・サンジェルマンで大活躍したあと、ストラスブールにやってきた。
スタッド・ランスでは124試合107ゴール、パリ・サンジェルマンでは74試合64ゴール。圧倒的な得点力を見せていた彼はストラスブールでも22試合で8ゴールを決めた。1980年に母国アルゼンチンに戻ったため、わずか1シーズンのみのプレーであった。
FW:ケヴィン・ガメイロ
国籍:フランス代表
そして近年のストラスブールにおける最高のスターといえばケヴィン・ガメイロ。2005年にユースから昇格し、トップチームでデビュー。サイドハーフでのプレーが多かったこと、そして怪我が多かったことであまり多くの活躍はできなかったが、2007年のトゥーロン国際大会で4試合5ゴールと大爆発。さらに2部降格後に移籍したロリアンで大ブレイクを果たした。
リーグアン屈指のスルーパサーであったマナマ・ヴァイリュアとの2トップで裏抜けFWとしての才能を完全に開花させ、ゴールを量産。2011年にはパリ・サンジェルマンへと引き抜かれ、それからセビージャ、アトレティコ・マドリー、バレンシアでプレーした。現在は再びストラスブールに所属。