ホンダとヤマト運輸、新型軽商用EVの集配業務における実用性を検証

本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)とヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、ホンダが2024年春に発売を予定している新型軽商用EV※の集配業務における実用性の検証を2023年6月~8月に実施する。4月14日付のプレスリリースで明かした。

※ 実用性の検証には、ホンダの軽バン「N-VAN(エヌバン)」をベースとしたテスト用車両を使用

近年EC市場の拡大により物流の需要が高まる一方で、温室効果ガス排出量の削減など、サステナブルな物流の実現に向けた取り組みの必要性が高まっている。同検証で使用する新型軽商用EVの特長は、軽商用バンである「N-VAN」をベースとしていること、大容量であること、助手席からリアまでフラットになっていることだ。同検証では、この特長を生かし、ヤマト運輸が導入を進めている小型モバイル冷凍機「D-mobico」を荷室に2台搭載し、冷蔵・冷凍品の配送にも対応する。「D-mobico」は、モバイルバッテリーで駆動し、ドライアイスを使用しない。これにより、両社は、より環境に配慮した配送を実現する。

両社は、今回の取り組みにおいて、「環境負荷軽減効果の検証」、「集配業務における実用性や車両性能の検証」、「EV運用における各種基礎データの取得・検証」を行う。「集配業務における実用性や車両性能の検証」では、車両の使い勝手や航続可能距離など、EVならではの実用性の検証や、ドアの開け閉めや乗り降りが多い集配業務を通じた車両の耐久性の検証も実施する。

くわえて、「EV運用における各種基礎データの取得・検証」では、日々の集配業務における車速、アクセルやブレーキといったドライバーの運転操作などの各種基礎データを取得する。ほかにも、空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データも取得する予定だ。複数台のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの検証も実施するという。

また、今回の検証は、ヤマト運輸 中野営業所(東京都杉並区)、ヤマト運輸 宇都宮清原営業所(栃木県宇都宮市)、ヤマト運輸 神戸須磨営業所(兵庫県神戸市)で実施する。これらの地域では、「配送荷物が多く乗り降りの機会が多い東京23区エリア」、「1度の配送における走行距離が比較的長い栃木エリア」、「坂が多くアップダウンのある兵庫エリア」といった異なる特徴がある。今回の検証では、こういった地域での車両性能も検証する予定だ。

なお、両社は、今回の実用性の検証のほかに、冬季の集配業務を想定した、外気温が氷点下になる寒冷地での充電・走行テストなど、さまざまな環境で検証を実施している。こうした取り組みを通じて、商用EVとしてより実用性の高い軽商用EVの開発・普及を目指すと述べている。

(出典:ホンダ Webサイトより)

© 株式会社自動車新聞社