<統一地方選>後半戦スタート、2市長選が告示 行田は5氏が立候補、北本は現新一騎打ちに 市議選は20市で

出陣式で気勢を上げる支持者たち=16日午前、埼玉県行田市内

 統一地方選の後半戦は16日、2市長選と20市議選が一斉に告示された。行田市長選は、いずれも無所属の現職と新人計5人が立候補を届け出た。北本市長選は現職と新人が出馬し、一騎打ちとなった。市議選は市の半数に当たる20市で実施され、総定数469議席を巡る激しい選挙戦がスタートした。投開票は23日。

■20年ぶりの5氏立候補/行田市長選

 行田市長選はともに前市議で新人の細谷美恵子氏(62)、高橋弘行氏(80)、元参院議員で新人の行田邦子氏(57)、再選を目指す現職の石井直彦氏(79)、前副市長で新人の石川隆美氏(58)が立候補を届け出た。無所属現新5人による激戦で、5人が立候補したのは2003年以来で20年ぶり。人口減少対策や子育て支援策、地域活性化などが争点になりそうだ。

 細谷氏は「今までの市長が何もしないから、市全体が過疎地域になっている」とこれまでの市政を批判。市議として2期8年の実績などをPRし、「私はこのまちに生まれ育ち、まちのことを8年間専門的に勉強してきた即戦力。疲弊した行田市を頑張って元気にしていく」と語った。

 高橋氏は、市は年間で約500億円の税金を預かり、効果的に活用しているかチェックしてきたが、医療や教育、産業など多くの面で生かし切れず無駄も多いと指摘。「行田市を変えないと、本当に駄目になる。介護や医療問題など、各種問題を一つ一つ私は解決していく」と訴えた。

 候補者の中で最年少の行田氏は「57年間の人生の中で一番悩んで出馬を決意した」と明かし、「12年間の国政経験と人脈をなりふり構わず使わせてもらい、子どもや若い人たちがこれからも住み続けたい、外にいる人たちが行田に来たいと思うような行田にしていきたい」と主張した。

 再選を狙う現職の石井氏は、現在、羽生市と共同整備で進めている新ごみ処理施設の建設計画について言及し、「契約期間は今年と来年までで、施設稼働を実現させるためには、私がもう1期続ける必要がある。来期も市民に尽くせる市長の役割を担っていく」と決意を述べた。

 石川氏は計36年にわたって市職員や副市長を務めてきた実績などを強調。これまでの市は市民の声をしっかりと聞く体制ができていなかったとして、「市民の声を一つ一つ取り上げ、それを政策に反映させていきたい。私と一緒に未来の行田をつくっていきましょう」と呼びかけた。

■デーノタメ遺跡の扱い争点に/北本市長選

 北本市長選は、いずれも無所属で、再選を目指す現職の三宮幸雄氏(72)と前市議で新人の諏訪善一良氏(73)が立候補を届け出て、現新による一騎打ちとなった。

 三宮氏は出陣式で、「今回の市長選の争点は、北本市の地域資源をどう生かしていくかだと思っている。ものの豊かさか心の豊かさかの選択」と第一声。久保特定土地区画整理事業および縄文時代のデーノタメ遺跡の国指定史跡化へ向けた推進を強調した。

 加えて、「これまでは上り列車で夢を見るような時代だったが、いまは下り列車で北本市に来るような時代。市の人口が増加する一つの要因だと思っている」とも話した。

 市長選は3度目の挑戦になる諏訪氏は出陣式で、「まちづくりの基本は道づくりだと思っている。道は防災、減災のためにも重要」と第一声。久保特定土地区画整理事業は急ぐべきだとし、「道路を通してもデーノタメ遺跡と共存できると思う」と主張した。

 さらに、「思えば、県議1期、市議4期、約40年間にわたって政治に関わってきた。さらには約50年間会社経営をしてきた。それらの経験を市政に生かしたい」と訴えた。

出陣式で気勢を上げる支持者ら=16日午前、埼玉県北本市内

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