校則を無くした中学校 生徒たちが新ルール「生徒会心得」を定める 岡山・玉野市【こどもミライパーク】

子どもたちの今を伝えるこどもミライパークです。近年、時代に合わない学校の校則を撤廃する動きが広がっています。こうした中、岡山県玉野市の中学校の生徒会は校則そのものを無くしました。

玉野市立荘内中学校。この日は生徒会執行部のメンバーが体育祭でどの飲み物を売るか話し合っていました。

生徒の主体性を育むことに力を入れる荘内中。イベントなど、委員会活動の予算案づくりや管理を生徒に委ねています。さらに、自分たちで話し合ったことは、会社さながら、「具申書」にまとめて校長に提案し、実現につなげます。

(荘内中学校 生徒会長/川畑春貴さん)
「難しいって感じることもあるんですけど、荘内中学校だから、ここに入学できたからこそできることなので、しっかりやっていこうかなと」

荘内中では3月、ある大きな変革をしました。

(荘内中学校 生徒会長/川畑春貴さん)
「学校から校則という形でしばられるのではなく、自分たちで生徒たちで考えたルールを元に中学校を生活していこうと、校則を譲渡されて新しくスタートした」

荘内中学校提供(3月24日)

3月24日の修了式で「校則を定める権限」を校長から譲渡された生徒会。これまでの校則を「撤廃」し、新年度から新たなルール、「生徒会心得」のもと学校生活を始めました。

「心得」では登校時間や髪を染めてはいけない、など最低限のルールしか定めていません。

(荘内中学校 生徒会長/川畑春貴さん)
「新1年生はまだ入ってきたばかりで校則が無いからちょっと分からないこともたくさんあるのかなと思う。しっかり伝えていかないといけない」

2021年度から校則の見直しに着手し、「ツーブロック禁止」「下着の色は白」などの校則を改訂してきた荘内中。その流れの中で2022年度、生徒会が「校則の必要性」に疑問を持ち「撤廃」に向けた議論が始まりました。

(荘内中学校/住田義広 校長)
「(校則改正から)半年経ち、1年経つとだんだんその意識がどうしても薄れてくる。(校則譲渡の)具申が出たときに逆に私はラッキーと思ったというか、これで毎年生徒が自分たちで(ルールを)考えていく機会を設けていくだろうと」

「自分たちのルールは自分たちで決める」という選択をした荘内中学校の生徒会。これからは『自由』とともに大きな『責任』もついてきます。

(荘内中学校 生徒会長/川畑春貴さん)
「『校則を無くす』っていうのはあまり類を見ないことなので、しっかりここで成功させて、全国の中学校のお手本になれるような学校になっていければ」

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