【新ルールを知ろう!②】「守備シフトの制限」でもっとも恩恵を受けるのは大谷!?

今季MLBで導入された新ルール。そのなかで、ベースボール本来の楽しさを取り戻し、選手の運動能力がより発揮できることを目的に採用されたのが「守備シフトの制限」だ。(4月6日時点)

打者の打撃方向を分析し、確率の高い方向に守備位置を変えるシフト。引っ張りの多い左打者なら、サードがショートの位置に、そしてショート、セカンド、ファーストが二塁ベースよりも左に守備陣形を敷く。

トレンドにもなっていたが、そのシフトの弊害としてシフトに左右されないフライを打ち上げる「フライボール革命」で大味な野球となり、2022年の平均打率.243は1968年以来最低だった。

そこで、ベースボール本来の楽しさであるインプレーの打率を上げ、さらに野手の優れた防御プレーで運動能力をより発揮できるようにすることを目標に「守備シフトの制限」が導入された。

投手がマウンドプレートの上にいるとき、4人の内野手全員が両足を内野の外側の境界内に置き、二塁ベースの両側に2人ずつに分かれなければならない。マイナーリーグの8000以上のゲームでテストされ、結果として全体の打率が.247から.249にアップしている。

この新ルール導入についてMLBの公式ツイッターでは、恩恵を受ける可能性の高い代表的な左打者を選出。もっとも影響を受ける打者としてエンゼルスの大谷翔平が1位となった。

#字幕付き動画 】今季から極端な守備シフトが禁止され、内野手は二塁ベースを中間として左右に2人ずつ配置され、そして外野の芝エリアに入って構えることができなくなります。この新ルールの恩恵を受ける可能性の高い代表的なバッター5人を解説者が選出しました⚾ pic.twitter.com/TV9JpuXxIy

— MLB Japan (@MLBJapan) January 12, 2023

MLBのSTATCASTによると、昨季の大谷の打球方向はライトが38.5%、センターが36.2%、そしてレフトが27.8%。そのため打席の88.3%でシフトが敷かれ、1打席あたりのチームへの得点増加貢献度を表すwOBAはシフトあり.365、なしは.403となっていた。シフトが制限された今季はここまでライトが38.5%、センター46.2%、レフト15.4%とセンターから右への引っ張り傾向がより高くなった。

守備側の野手にとっては厳しくなるが、スピードや俊敏性が求められるため、優れた運動能力の見せ場が増える。よりエキサイティングなプレーが見られるのはファンにとってはうれしい。

最後にMLBがこの新ルール導入についてユニークな動画を作成しているので紹介しよう。

#字幕付き動画 】今季からの新ルールのお知らせ動画・その1です⚾
今日はジョーイ・ボットーが『守備シフトの禁止』について紹介します pic.twitter.com/bQw7LJ4cS2

— MLB Japan (@MLBJapan) March 27, 2023

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