統一地方選 投票率アップへ懸命 選管、高齢者や若者に注力 茨城・日立 山側団地に移動投票所

山側団地を巡回する移動期日前投票所で投票する住民=日立市中丸町

23日投開票の統一地方選で、各地の選挙管理委員会が投票率アップに力を注いでいる。各選管は、高齢者が多い地域で移動式の期日前投票所を巡回させたり、学生への啓発で若年層の投票行動を促したりと「あの手この手」で浸透を図ろうと懸命だ。

市長選と市議選が行われている茨城県日立市選挙管理委員会は18日、ワンボックス車を使った移動期日前投票所を、高齢化が進む山側団地で初めて開設した。21日までの4日間で、近くに投票所がない計8カ所を巡回する予定。移動手段が限られ、投票所に行くのが難しい高齢者に投票しやすい機会を提供し、投票率向上につなげるのが狙い。

市選管などによると、山側団地では、住民は車などで投票所に出向く必要がある。山側団地は高齢化が進んでいることから、市選管は同投票所を設けることにしたという。

同市中丸町の中丸集会所では18日朝、投票箱を積んだワンボックス車が到着し、屋外に受付と記載台のテーブルが用意された。集会所前には開始前から住民の列ができ、1時間で高齢者など63人が投票した。

投票に訪れた斎藤一世さん(77)は「団地は坂が多く、車で移動しないと簡単に動けない。歩いてすぐ投票に行けるのはありがたい」と話した。

市選管は「誰でも投票ができる機会を確保していく。多くの人に参加してもらえる取り組みを進めたい」とした。

市選管は同日、若者への啓発のため、同市の茨城大工学部キャンパスにも同投票所を設置。19日は茨城キリスト教大でも開設される。

前回の2019年は、2市長選と5市議選で投票率が5割を下回った。中でも、若年層向けの啓発は、どこの選管でも課題だ。

取手市長選は4割を切る過去最低を更新したことから、市選管が広報紙の臨時号を発行して市民に広く配布。市内の公私立7高校にも200部ずつ届けて投票を呼びかける。

水戸市では、市の公式LINEで期日前投票や投票日を案内。期日前投票所8カ所のうち、18日に設置した茨城大では259人が投票した。20日には常磐大でも開設される。

土浦市では、市議選の啓発ポスターに小学生が描いた作品を採用。同市選管は「子どもの頃から選挙を身近に感じてもらえる取り組みを進めたい」と話した。

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