韓国から団体客、120人が五島へ コロナ流行後初の規模 キリスト教関連 信仰の歴史に触れる

堂崎教会を訪れた韓国からの団体客=五島市

 韓国から長崎県を旅行中の団体客120人が18日、五島市を訪れた。同規模の外国人ツアー客は、2020年の新型コロナウイルスの流行後、同市で初めて。
 訪れたのはカトリック韓国大邱(テグ)教区内の神父や教会事務長ら。17~20日の日程で、長崎市の浦上天主堂や日本二十六聖人殉教地、島原市の島原城などを巡る。
 五島市では、県指定有形文化財で五島でのキリスト教復活の拠点となった堂崎教会、明治初期に潜伏キリシタン弾圧があった楠原の牢屋(ろうや)跡、井持浦教会などを訪問。ガイドから建物の成り立ちや当時の信者たちの生活について説明を受けた。参加した男性神父は「潜伏キリシタンが迫害を受けながら頑張って信仰を守り抜いた歴史に感動した」と話した。
 市文化観光課によると、19年の外国人の延べ宿泊者数は過去最多の3428人で、8割がアジア圏だった。韓国はキリスト教徒が多い。五島市には、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産を中心とした潜伏キリシタン関連の教会や史跡があり、韓国の神父らの団体が訪れていたが、新型コロナの影響で途絶えていた。

© 株式会社長崎新聞社