動物たちも犠牲になった 沖縄戦の継承へ動物をテーマに写真展 6月に那覇市民ギャラリー 企画の谷口さん「平和考えるきっかけに」

 戦争体験の継承を目的とする写真展「動物たちが見た沖縄戦」が、慰霊の日を挟む6月20~25日、那覇市民ギャラリーで開催される。動物が主役のアニメ映画制作などを手掛けてきた東京都在住の市民プロデューサー、谷口広樹さん(パブリックアーツ代表)が企画した。会場費や写真プリント代など30万円をクラウドファンディングで募っている。

 谷口さんは「現地調達された軍馬や軍犬、軍鳩など、多くの動物が沖縄戦で犠牲になった」と話し、動物をテーマにより多くの人に沖縄戦を伝え、継承につなげることを目指している。米国公文書館で集めた、著作権がなく自由に使える沖縄戦の写真データを活用する。

 祖父の戦場体験を聞いてきた影響で、かつてフィリピンなどで遺骨収集に参加。現地で元兵士や遺族の話を聞いた。この数年は沖縄戦経験者への聞き取りをしている。敗戦から78年たち、戦争体験の継承が難しくなっていると実感したという。

 昨年2月、祖父が101歳で亡くなり、直後にロシアによるウクライナ侵攻が始まった。「沖縄戦について改めて知り、次の戦争の抑止につなげることはできる。平和を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけている。ネット上の寄付、クラウドファンディングは6月11日まで、YUIMAで募っている。詳細はhttps://yuima-okinawa.jp/から。(林恭子)

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