【新ルールを知ろう!④】牽制数の制限で盗塁は増えたが新たな見所も

今季から多くの新ルールが導入されたが、その一つ、投手による牽制球やプレートを外す行為の回数が制限され、盗塁数が増加している。しかし、その反面新たな見所が注目されている。(4月13日時点)

これまではランナーに対し、牽制球やプレートを外す行為の制限はなかったが、長時間化する試合のペースを上げるため、1打席中にランナーに対し、牽制球やプレートを外すのは2回まで。その際にはピッチクロックは20秒に戻される。そして3回目はアウトが取れなければボークとなり、ランナーは進塁する。

この制限によりランナーはリードを取りやすく、ベースの拡大による塁間の短縮、安全面の向上も含めて盗塁数は増えている。今季の第1週での盗塁成功率80.5%は昨季の68.5%より12%も向上。第2週終了時では昨季より盗塁数は3割も増加している。

現在の盗塁数のトップは、昨季の盗塁王、オリオールズのホルヘ・マテオの6盗塁。同じく、開幕戦でマテオ同様2盗塁を決めたガーディアンズのマイルズ・ストローも失敗なしの6盗塁で並んでいる。

しかし、この制限で走り放題となったわけではない。投手の牽制は制限されたが、捕手からの牽制は従来通り制限なし。そこで、捕球から二塁、三塁への送球の到達時間(ポップタイム)がフィリーズのJ・T・リアルミュートに次ぐ2位のカージナルスのウィルソン・コントレラスがこのルールについて考察。

「アウトにできなくても走者をベースに釘付けにできる。捕手の牽制回数に制限はない」と意欲を見せている。ここまで2盗塁を許したが、両リーグトップタイの4刺殺をマークしている。

盗塁というスピーディでスリリングなベースボールの醍醐味が復活すると同時に、捕手の牽制技術や強肩がより求められるという新たな見所にも注目しよう。

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