日本人キャディもビックリ 53歳エルスの技はいまだ健在

アーニー・エルスは日本人のツアーキャディがスポットでサポートする(撮影/桂川洋一)

◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 事前情報(19日)◇PGM石岡GC(茨城)◇7039yd(パー70)

アーニー・エルス(南アフリカ)が日本ツアーに参戦するのは2017年、アジアンツアーとの共催試合「SMBCシンガポールオープン」以来、6年ぶり。国内での試合となると、2008年「ダンロップフェニックス」以来15年ぶりとなる。

メジャー4勝のレジェンドの脳裏に日本の記憶として今も刻まれているのが、1993年の同じ「ダンロップ―」。美しいフェニックスCCでのゲームは「まるでオーガスタ(マスターズ会場)でプレーしているような気分」だったと思い返す。「たくさんのお客さんの前で全盛期のジャンボ(尾崎)、トム・ワトソンともプレーした。日曜日は雨でプレーできない可能性もあると思ったが、追いかけてくるジャンボに結果的に勝って、自信も湧いた」

すでにシニア入りした53歳は今も元気でいる。前週はPGAツアー「RBCヘリテージ」に出場し、予選を通過して56位で終えた。欧州ツアーは先週試合がなく、早くから日本に入国した海外選手もいる中、時差ぼけを抱えながら開幕前日にコース入りし、午前中からプロアマ戦に参加するタフネスぶりだ。

未知のコースをガイドするのは外国語も堪能な日本人。宮里優作や谷原秀人、比嘉一貴らのバッグを担いできた神田七保海キャディは今回、大会関係者からのオファーでビッグイージー(エルスの愛称)をサポートする。初対面のプロアマ戦中のやり取りは驚きの連続だったと明かす。

1Wショットのキャリーは約285yd、7Iでも170ydほどで、飛距離だけで言えば日本の多くのパワーヒッターにも到底かなわない。ただし、その弾道の安定感が抜群。「球が重い。ゆっくり、重く飛ぶ。『ちょっとミスヒットだ』と言っても、球が重く、スピン量が一定している感じで、ミスが(狭い幅で)収まる。タテの距離感が半端じゃない」と感嘆した。

「残り90ydを(ロフト角)60度のウェッジで打っても、普通ならバックスピンが入りすぎるところをそうさせない。120yd以内がうますぎる。ボールの“もっていき方”、“押し方”なんかがうまい。だから“変なこと”が起きないんです」。久々の日本でのプレーはきっと一見の価値アリだ。(茨城県小美玉市/桂川洋一)

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