【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第25話 ワールド・ベースボール・クラシック決戦の地

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

ローンデポ・パークへ

アメリカで最も南東に位置するフロリダ州・マイアミ。中南米から移ってきた方も多く、スペイン語が飛び交うなど、多様な文化が交差する街です。日本からは、飛行機を乗り継いで20時間弱。機内からの景色は、どこまでも広がる青い空とエメラルドグリーンの海が重なります。

マイアミ国際空港からは、車で10分弱。まるで空に浮かぶ雲のような、丸い建物が見えてきます。その白は、海に浮かぶヨットをイメージしたとか。

大きな柱は、強い雨からフィールドを守ってくれる大きな屋根が開くためのもの。フロリダのカルチャーを随所に感じる、自由なアート、開放的な雰囲気、野球を楽しむ熱気に包まれたら… LoanDepot Park! Nice to meet you!!!

[迫力満点! 開放感抜群!](

Ballparkのすごいところ

球場内の座席はマリンブルーで統一され、美しい大西洋の海を感じさせます。フロリダは雨が多く、蒸し暑いため、ホームゲームの多くが屋根を閉めた状態で行われます。それでも、“The coolest place in town”「この街で一番涼しい場所」と言われるだけあって、空調完備が働き、とても快適。

MLB30球場で最もフィールドに近いとされるファールゾーンの狭さや外野フェンスの位置、従来よりも30%薄い「ウルトラクロス」というネットのおかげ で、より臨場感たっぷりに試合を楽しむことができます。試合後には光と音のショーもあり、ライブ会場のようなエンタメ空間に様変わりします。

フィールドにはココナッツの破片!?

選手にとっても嬉しい最新テクノロジーがフィールドに導入されています。2012年の開業から天然芝を使い続けてきましたが、2019年のシーズンオフに人工芝に大転換。 2020年から運用が始まりました。芝の隙間にはココナッツを砕いたものが入っています。これが、芝の柔らかさと水分を保ちながら自然なバウンドになるよう、バランスを取ってくれる秘密なんだそうです。

Ballparkの楽しみ方

外野スタンドの壁面はガラス張りになっていて、ダウンタウンの景色が広がります。明るい太陽の恵みが降り注ぐテラスは、球団職員おすすめのスポット。バーカウンター付きのオープンシートで、誰でも利用可能です。まるでフィールドに迫り出しているような感覚に身を置くことができます。

コンコースには、各チームのボブルヘッドを飾っているコーナーがあります。かつてマーリンズでプレーしたイチローさんの姿も! 台が自動で動いてくれるので、いつ見てもブルブルしています。

球場の周辺にも魅力がたっぷり。その美しさで知られるマイアミビーチでは、ゆったりとした時間が流れます。

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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