
財務省が20日発表した2022年度の貿易統計速報(通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が21兆7285億円の赤字だった。赤字額は前年度の約3.9倍に拡大し、比較可能な1979年度以降で最大となった。原油価格の高騰や円安で輸入が前年度比32.2%増の120兆9550億円に膨らみ、輸出の伸びを上回った。
貿易赤字は2年連続。赤字額は東日本大震災後の原発停止が影響して2013年度に記録した従来の最大額(13兆7564億円)を大幅に更新した。
22年度はロシアによるウクライナ侵攻を背景に、資源高や円安ドル高が進んだ。輸入は原油や石油が伸び、前年度から30兆円近く増えた。輸出は自動車や鉄鋼が堅調で、15.5%増の99兆2265億円だった。輸入額、輸出額とも79年度以降で最大だった。
外国為替レートは平均で1ドル=135円05銭となり、前年度から23円余り円安方向に振れた。
同時に発表した3月の貿易収支は7545億円の赤字だった。赤字は20カ月連続。