茶祖・栄西の遺徳しのび四頭茶会 京都・建仁寺、4年ぶり開催

厳かな雰囲気で行われた四頭茶会

 臨済宗の開祖で喫茶の風習を中国から伝えた栄西(岡山市出身、1141~1215年)の誕生日を祝う四頭(よつがしら)茶会が20日、京都市の建仁寺で開かれ、全国の茶道愛好家ら約500人が「茶祖」の遺徳をしのび、茶の湯を満喫した。

 栄西禅師賛仰会顧問を務める山陽新聞社の越宗孝昌相談役も出席。栄西禅師像の軸、香炉などが飾られた方丈で、臨済宗建仁寺派管長・小堀泰巌老大師らが法要を営んだ後、茶会名の由来である4人の正客が各6人の相伴客を伴って着席。椅子に座ったまま客が茶わんをささげ持ち、僧がその場で湯を注いで茶をたてる古式作法にのっとって味わった。

 四頭茶会は1954年から栄西が創建した建仁寺で毎年行われていたが、新型コロナウイルス禍のため、今回は2019年以来4年ぶりの開催。千利休がわび茶を大成する以前の古式茶礼を伝えており、その茶礼は京都市の無形民俗文化財に登録されている。

 23日には岡山市・後楽園で「栄西禅師賛仰献茶式・大茶会」(山陽新聞社など主催)が行われる。

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