玉野市議選 どうなる投票率 県議選は上昇、政策アピール鍵に

 19議席を現職、元職、新人の計21人が争う玉野市議選は23日に投開票される。市役所での期日前投票者数は17~19日の3日間で3201人と、前回(2019年)の同期間に比べ379人少なく、出足が鈍い。果たして投票率はどうなるか―。

 近年の市議選は期日前投票の割合が高まる半面、最終的な投票率は下落の一途。1975年の89.33%から11回続けて下がり、2019年の前回は54.22%で過去最低を更新した。

 今回はベテラン5人が引退。立候補者の約半数の10人が40、50代で前回(6人)から大幅に増え全体的に若返った。一方で、市選管によると、その年代の投票率が低い傾向にあるという。投票率が低くなれば、組織選挙を展開する陣営に有利で、浮動票を取り合う無所属候補には厳しいとの声もある。

 ある陣営は「なかなか議会や選挙に関心を持ってもらえない」と危機感を募らせ「市民に議会の重要さを知ってもらう機会を増やすべきでは」と指摘する。市役所に期日前投票に訪れた80代女性は「選挙カーでの遊説はどの候補も似たり寄ったり。どういったまちづくりをしたいのか、もっと伝えてほしい」と注文を付ける。

 ただ、9日に投開票された岡山県議選玉野市選挙区の投票率は49.56%で、前回(19年)の47.86%から1.7ポイント上昇。2議席を巡り現新の計3人がまちの将来像について主張を戦わせた接戦への関心や、期日前投票所の増設などが影響したともとれる。

 市議選の投票率アップに向け市選管は広報車を走らせたり、投票を呼びかける懸垂幕を市役所に掲示したりして啓発。市内の小中学生と保護者が一緒に投票所に足を運ぶと抽選で文房具がもらえる企画も初めて実施する。

 一方で論戦が盛り上がるかどうかも投票率を左右する。立候補者は市政の課題を踏まえて政策をしっかりアピールし、有権者の関心を引き付けられるかが鍵となる。

2市民センター 期日前投票始まる

 玉野市の荘内市民センターと東児市民センターで20日、市議選の期日前投票が始まった。22日まで投票でき、市役所の投票所と同様に午前8時半~午後8時に受け付ける。

 両市民センターでの期日前投票は、市選管が投票環境の向上と投票率アップを狙いに昨年7月の参院選から導入。今月9日に投開票された県議選でも行われた。市議選での実施は初めてで、市内全ての有権者が投票できる。

 荘内市民センターには記載台や投票箱が設けられ、有権者が意中の候補者に投票。同市槌ケ原から訪れた80代男性は「市役所より近く、楽でいい。公共交通の便を良くするなど、車の運転が難しい高齢者でも暮らしやすいまちにしてくれそうな候補者を選んだ」と話していた。

 23日は午前7時~午後6時に市内28カ所で投票が行われ、午後7時半から同市玉の市総合体育館で即日開票される。

荘内市民センターの期日前投票所で1票を投じる有権者

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