政女党・吉川蓮民氏 区議選出馬で「ハラスメントと戦う姿を見せたい」現役セクシー女優、AV新法にも声上げる

東京都世田谷区議選(23日投開票)に、政治家女子48党から立候補する吉川蓮民氏(はすみん、26)が20日、同区内で街頭演説した。元幹部自衛官で、風俗店に勤務。現役セクシー女優としても活躍する吉川氏は「ハラスメントと戦う姿を見せたい。奨学金の返済や、ハラスメントは若い人が潰れてしまう原因。区議会議員の立場だからできることは限られているが、そこを考えていきたい」と訴えた。

この日は、同党の浜田聡参院議員(45)が応援演説に訪れた。吉川氏はAV新法に触れ、当事者の立場から「しっかり法律を守っている人たち、頑張っている人たちが馬鹿を見てしまうような制度になっていて。アンダーグラウンドで法律を無視している人たちは稼げてしまう。そっちにお金が流れてしまうという現状がある。規制を作るにあたって、適切なものであるかっていうのを地方の議会からでも考えていきたい。やれることから勉強していきたい」と声を上げた。

AV新法の成立に反対した浜田氏は「議員立法なので、議員立法は政策評価の対象になっていない。AV新法が政策評価されないのは間違っている。国会でも取り上げていきたい」と共鳴。吉川氏の姿勢を「国会議員が作った変な法律や変な規制への問題意識。打破してもらいたい。女性であり、しかも夜の仕事をされていることも正直に言われている。今までタブーとされてきたことへの壁を破れる方だと思っている。若いですし、そういった可能性に期待している」と評価した。

防衛医科大卒の元自衛官で、自衛隊福岡病院の看護師だった。ハラスメントや人間関係で心身を崩し、2022年3月に自衛隊を退職。償還金(入隊6年以内で自衛隊を離職する場合、防衛医科大の授業料を支払う制度)返済のため、風俗業も兼業した過去を告白している。

吉川氏は「うちの政党、けっこうおじいちゃん議員を目の敵にしがち。議席を奪うぞ、みたいな感じになりがちなんですけど。私はそれがいいとは思ってなくて。若い世代もご年配の世代も、お互い良いところとか、直していかなくちゃいけないところはあるし、完璧な人間ではない。お互いの得意とかを生かしながら補える、フラットな関係をつくるのがハラスメント根絶の一歩」だと主張した。

政治家女子48党は事実上、立花孝志氏(55)と大津綾香氏(30)の二派に分裂状態だが「両方とも共感するところというか、素晴らしいと思っているわけなんですけど、お互いここがまずいよねというのもある。どっちかにベタッと張り付いて、言いなりになるところはならない。自分派っていう言い方をしている」と強調する。

5月に映像作品がリリースされ、風俗店勤務も再開するという吉川氏。自衛隊時代の迷彩服をトレードマークに、選挙戦に挑んでいる。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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