【漫画】目の不自由な旅人が出会った少年の恐ろしい目的 宗教家の祖父の影響から生まれた話題作 作者語る

目の不自由な旅人であるミカは、見知らぬ少年と出会い、その家族が暮らす自宅で一夜を過ごすことに。そこでは、神の怒りを鎮めるために旅人と少年をめぐる恐ろしい惨劇が起ころうとしていた……。神話の一節をモチーフに、不思議なテイストが漂う新感覚ゴシック・ホラー。

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SNSで発信される数々のホラー作品の中で、特異な存在感を示しているのが、漫画家の鷹橋義歌さん(@EgerAdm666)。19世紀を舞台にした、どこか不気味で神秘的な世界を描くゴシックホラーを中心に数々の作品を発表し、着実にコアなファンを増やし続ける注目の漫画家だ。そこで今回は、鷹橋さんの創作のきっかけから、本作『WITCH』に関する創作秘話について話を聞いた。また、本記事ではTwitterで話題となった『WITCH』の一部も特別に公開する。

宗教家系による呪縛からの脱出が創作の糧

小学生の頃から、小動物や昆虫のスケッチするようになり、4コマ漫画などを友人に見せては喜んでもらうのが好きだったという鷹橋さん。インターネットに作品を投稿するようになったのは、Web会社に勤めるプログラマーとして働くようになってから。「SEOについて学ぶために、自身のWebサイトを立ち上げました。その中のコンテンツとして漫画作品を投稿するようになったのが最初ですね」

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テーマはもちろん、作品全体を通じて感じられる独特な空気感については、自身の生い立ちが大きく関係していると話す。「祖父が宗教家で、その家族も同じ宗教の信者でした。その家で唯一無宗教だった父を見て育ったことが根底にあると思います。父は亡くなり、葬儀にも出ず、墓の場所も知らず、祖父母とも縁は切れていますが、今でも時々自分の生まれや育ちを呪わしく思う事があるので、それが作品に反映されているかもしれません」と、生まれ育った環境がこの作品を描くきっけになっているという。

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「物語では直接触れていませんが、目が不自由な彼女は“目に見えるものに惑わされず、真に神と対話するため”と国の神官によって視力を奪われたという経緯があります」と、鷹橋さん。このように物語の背景をしっかりと作り込んでいるからこそ、短いストーリーの中で読み応えが生まれるのだろう。

謎のウイルスが蔓延した社会を舞台に繰り広げる、活劇作品『社畜‼︎改造人間キララちゃん』-00

こうした独自の世界を邁進する鷹橋さんに、今後の展望を質問すると、意外な答えが返ってきた。「いつかペットを飼おうと思っているので、その子のことを描きたいですね」。神秘的ホラーを描いてきた鷹橋さんは、ペットをテーマにどのような作品を描くのだろうか。興味が絶えない。

<鷹橋義歌さんInformation>
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(よろず~ニュース特約・橋本未来)

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