イ・ビョンホン 米国で「未来の韓国映画」を語る 出演できず後悔した作品も明かした

ハリウッドでも活躍している韓国俳優のイ・ビョンホンが、アメリカのスタンフォード大学で開かれたカンファレンスに登壇し、出演作品に関するエピソードを打ち明けた。

現地時間の19日、彼は「韓流の未来'(The Future of Hallyu) :グローバルステージの韓国映画」というカンファレンスに出席。同大学の学生とファン300人が講堂を埋めた。

イ・ビョンホンは流ちょうな英語で、自身が俳優になるまでの経験や出演作について語り、また聴取者の質問に答えるなどの時間をもうけた。

彼は「2000年に公開された映画『JSA』の出演を機に、演技に臨む姿勢が変わった」と告白。「それ以前の作品では、役のキャラクターにこだわっていたが、『JSA』以降は台本をより重要視するようになった」という。

参加者から「オファーされた役(出演作)を断って、後悔したことはあるか」と質問されると、『オールド・ボーイ』『パラサイト 半地下の家族』『別れる決心』というメジャー作品を挙げて驚かせ、自身も笑った。

この理由に「いずれもすでに(映画など)、ほかの撮影スケジュールが決まっていたため、受けることができなかった」と説明。

2003年に公開された『オールド・ボーイ』で彼は、ユ・ジテが演じたイ・ウジン役を提案されていたと言い、同作は2004年カンヌ映画祭で審査委員大賞を受賞し、韓国映画の地位を飛躍的に高めた作品となった。

『パラサイト 半地下の家族』は、打診された役は明かされていないが、おそらくイ・ソンギュン扮(ふん)したパク・ドンイクだったのではとみられる。同作も、アカデミー賞で作品賞をはじめ4冠に輝くなど、“名作映画”として世界で大きな話題を集めることに。そして、今年日本で公開されたパク・チャヌク監督作『別れる決心』も、アジアフィルムアワードで3冠を達成した。

また、作品選びのポイントについて聞かれると「感覚を大事にしている」と言い「台本を読んだ瞬間、感じたことや感性が“面白い”と思ったら、その気持ちに従うタイプ」と明かす。

イ・ビョンホンは2009年に『G.I.ジョー』で、ハリウッド映画へと進出。しかし「(ハリウッド)スタッフたちは、僕の演技に興味を持っていなかった。ただ、アジアの映画市場へ進出するために利用したと思っている」と回想する。俳優としてオファーされたのは「『G.I.ジョー』で縁を持って、それをきっかけに僕の作品を見てから」と冷静に分析した。

映画でもドラマでも、ストーリーと監督が好きでなければ出演しないという彼は、NetflixなどのOTTプラットホームが「韓国俳優にとって大きなチャンスになっている」と伝えた。

俳優として活動し続け、気が付けば30年以上が経っていたというイ・ビョンホン。現在も精力的に活動を続けており、8月には映画『コンクリート・ユートピア』の公開と、Netflixシリーズ『イカゲーム2』に出演、多忙な日々を送っている。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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