ヴェルカの有言実行

 一度言ったからには必ず成し遂げる、という意味の四字熟語「有言実行」。座右の銘などでもよく使われている言葉だが、実践するのは決して簡単ではない。政治家をはじめ、社会的影響力がある人や組織の事前の公言には、期待と同時に責任が生じる▲この難題を現実にしようとしているプロスポーツクラブがある。バスケットボールのBリーグ2部(B2)に所属する長崎ヴェルカだ▲ヴェルカが2020年10月の創設と同時に掲げたのは「最短でのB1昇格」。その宣言通りに、リーグ参入初年度の21~22年シーズンにB3優勝とB2昇格を果たすと、今季は既に西地区2位以上でのB1昇格プレーオフ(PO)進出を決めている▲正直なところ、最初のころは「ちょっと言い過ぎかな」と心配していた。だが、ふたを開けてみると、チームはスタートから快進撃。見る目がなくてごめんなさい、と謝るしかないほどの成績を残している▲今季のリーグ戦は22、23日の残り2試合。その後、5月5日からPO準々決勝、そこを抜ければ翌週の準決勝(B1昇格決定戦)に臨む。正念場だ▲そのPOを前に長崎市出身の髙比良寛治主将が思いを語ってくれた。「しっかり結果を出して、いい形で長崎を盛り上げたい」。地元クラブの有言実行を楽しみに待ちたい。(城)

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