ミュージカル『アニー』開幕. “Tomorrow, tomorrow, I love ya, tomorrow” そして来年、Annieは誕生100年!

丸美屋食品ミュージカル『アニー』が開幕。
今回は久しぶりのフルバージョンとなる。4月22日~5月8日、新国立劇場・中劇場から始まり、夏に松本、名古屋、大阪、新潟を廻る。

この、誰もが知っているミュージカル『アニー』は1924年、新聞『ニューヨーク・デイリー・ニュース』で連載されたマンガ『小さな孤児アニー(ザ・リトル・オーファン・アニー)』が原作。
作家はハロルド・グレイ(1894~1968)。ハロルドはシドニー・スミスの新聞マンガ『ガンブー一家』を手伝った後にこのマンガを描き、多くの新聞雑誌に配給されたのである。1930年にはラジオドラマが始まり、1932年にはトーキー映画『Little Orphan Annie』が公開されている。つまり、この時代の人気キャラクターだった訳である。連載自体はグレイは1924年から死去するまでおよそ45年間休むことなく描き続け、亡くなってからは5人の作家が連載を引き継いだ。来年はアニー生誕100年!!!

今回は久しぶりのフルバージョン、端折られていたシーンが復活、ドラマ性がグッとクローズアップ、短くなったシーンもきっちり。アニー役の西光里咲は言うに及ばず、孤児院の子供たちのクオリティーの高いこと!ダンスシーン、フォーメーションが完璧、歌唱力も高いので、孤児院のシーンはショーストッパー。

そして衣装、ハニガンの服が和風テイストで振袖風のもあり、これがなかなかお洒落。ウォーバックス、「ウォー」は「War」、つまり戦争、「バックス」は「bucks」、牡鹿という意味。戦争で富を築いたのであろうことは想像に難くない。真面目に働き、裕福になったがお金があっても幸せではなかった。その証拠に最初に登場する場面では忙しそうに自分の屋敷に戻ってくる、表情は険しい心は孤独に満ちている。そんな彼に太陽のように明るいアニーが現れて、心が変化していく。フルバージョンになったので、その心の変化も注目したい。コロナ前は、このフルバージョンが「普通」であったが、コロナ禍に突入し、上演時間をなるべく短く、ということでのスペシャルバージョンだったので、改めて、きちんと上演することの尊さを再認識。

また、ニューヨークの街の活気に満ちたシーン、そして貧民街のシーン、ニューヨークの片隅には世界恐慌で失業した家のない人々、“狂騒の20年代”を楽しんでいた。だが、1929年10月、自動車会社ゼネラルモーターズの株価をきっかけに市場の株価が暴落し、その影響は世界中に。こういった背景を知っておくと、2幕俄然興味深く観ることができる。そういった社会的側面も描いているのがミュージカル『アニー』、また、ウォーバックスとグレースの関係、このミュージカル自体、ハッピーな内容なので、この二人がどうなるのかは、概ね、察しがつくであろう。

キャッチーで口ずさめる楽曲、この作品の代表とも言える曲が“Tomorrow”。“The sun will come out tomorrow”「明日には日は昇る」と歌う。”Tomorrow, tomorrow, I love ya, tomorrow” と歌い、続けて”You’re always a day away!”。大恐慌で自分は孤児、明日のことはわからないが、それでも希望を持ち続けるアニー、それは、ここで描かれている世相ともリンクする。コミック連載開始から99年、ミュージカル化は1977年、これだけ長寿な「2.5次元」はなかなかない。

公開稽古(チーム・モップ)に先駆けて会見が行われた。登壇したのはアニー役の深町ようこ、西光里咲。大人キャストのウォーバックス役の藤本隆宏、ハニガン役のマルシア、グレース役の笠松はる、ルースター役の財木琢磨、リリー役の島ゆいか。

深町ようこ
今年のアニーは 4 年ぶりにフルバージョンで行うので、今から張り切っています。キャスト・スタッフの皆さんの全員で力を合わ せて、頑張ります。私はサンディとテレパシーで心が繋がっていてるので、会話をしています。あとは、おやつを沢山あげているので、テレパシーとおやつで信頼してもらえるように頑張ってます。 夏のツアーで初めて行く劇場もあるんですけど、その劇場でも素敵なお芝居や歌など披露できるように頑張りたいし、私は 食いしん坊なので、そこの美味しいものはなにかをしっかり調べたいと思います。

西光里咲
明日の初日を迎えられることに、感謝の気持ちでいっぱいです。無事千秋楽まで全員揃って完走することを願って頑張りま す。私もアニーをみて憧れを抱いたように、観にきてくださったお客様の心にもなにかを届けられたら嬉しいです。チームモップ のみんなはチームワークがいいので、注目していただけたら嬉しいです。 仲良くなろうとか、懐いてもらおうとかそういうのを思ってたら絶対に仲良くなれないと思うので、
まずは自分が サンディを信頼して、心の底から愛したら、サンディも自分と同じ気持ちになってくれると思うので、 そういうコ ミュニケーションを大切にしたいです。

藤本隆宏
久しぶりのフルバージョン。また、個人的にもこの場に戻ってこれてすごくうれしいです。チームワークがすごくいいんですよね。 稽古もみっちりやって今までよりもさらにパワーアップして、新しくなったアニーになるんじゃないかと思います。明日からの初日を本当に楽しみにしています。

マルシア
やっと明日初日を迎えます!スポンジのような吸収力があるアニーは、二人とも元気で毎日ステップアップしていってます。 私たちは大きなパズルのようなもの。最後のパズルは明日お客様が入ってから、最後どんな絵になるのか楽しみです。 私はアニーを役で突き飛ばしたりするとき、全然力を入れていないんですが二人とも反応が良く、今年のアニーはリアクション 芸人です!(笑)夏のツアーは、コロナ禍は劇場・ホテル以外に出れず、みんなで外食などもできなかったので、 それぞれの場所・地方で美味しいものを食べるのが楽しみです。

笠松はる
3年目の参加になります。今まででトップに入る温かいカンパニーで、作品が知らず知らずのうちに心をキレイにしてくれて、 温かくなるような感じがしています。ますますパワーアップして皆んなで最後まで心を込めてお贈りできたらと思います。スペシ ャルバージョンはアニーの魅力、骨組みをしっかり描いていたので、今回のフルバージョンは周りの美味しい身が沢山ついてい るような感じで、どの身も全部美味しいんですが、ウォーバックスさんのワルツのシーンを初めて見た時は涙が出てグッときまし た。

財木琢磨
今回は4年ぶりのフルバージョンということで、皆さんの熱をすごく感じています。これまでフルバージョンを待っていたアニーファ ンの皆様にも素敵な作品を届けられたらうれしいです。見どころは、NYCのシーンです。僕は舞台上には登場しません が、袖で全力で歌っているので、もしかしたらそれが聞こえるかもしれないです(笑)

島ゆいか
今回4年ぶりに上演するフルバージョンには個人的に大好きなシーンがたくさんあります。特に、アニーがホームレスから大 統領まで、いろんな人の心を一瞬で変えていくその姿がたまらないです。今年の子供たちも元気いっぱいなので、みんなが 輝けるように悪役 3 人も頑張ります。

<深町ようこ&西光里咲 色紙コメント>

概要
日程・会場:2023年4月22日(土)~5月8日(月) 新国立劇場 中劇場
脚本:トーマス・ミーハン
作曲:チャールズ・ストラウス
作詞:マーティン・チャーチン
演出:山田和也
音楽監督:小澤時史
振付・ステージング:広崎うらん
出演:
アニー役: 深町ようこ、西光里咲
ウォーバックス役:藤本隆宏 ハニガン役:マルシア
グレース役:笠松はる ルースター役:財木琢磨 リリー役:島ゆいか 他
東京公演 主催/製作:日本テレビ放送網
協賛:丸美屋食品工業
公演問合:0570-550-799

ツアー公演:松本、大阪、名古屋、新潟(予定)

公式HP:https://www.ntv.co.jp/annie/

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