北朝鮮衛星で破壊準備命令 防衛相、日本領域落下に備え

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同)

 浜田靖一防衛相は22日、北朝鮮が計画する「軍事偵察衛星1号機」を発射し、日本領域に落下する事態に備え、自衛隊に「破壊措置準備命令」を出した。自衛隊は、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備に着手。海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦の展開に向けても作業を進める。政府関係者が明らかにした。

 準備命令は、自衛隊がミサイル防衛(MD)による迎撃態勢に入る前段階で必要な作業を進めるための措置。2012年、16年に南西諸島へPAC3を展開。今回も南西諸島へ配備を検討する。

 米国のバイデン大統領と韓国の尹錫悦大統領は26日、ワシントンで会談する予定。北朝鮮の核・ミサイル開発への対応策も協議する。北朝鮮の反発が予想される。政府関係者は「日本に被害が及ぶような万が一の事態に対応できるよう、準備を進める」と述べた。

 北朝鮮は、宇宙開発を担う国家宇宙開発局が昨年12月に「軍事偵察衛星1号機」の準備を今年4月までに完了すると予告しており、衛星と称した飛翔体を打ち上げる可能性がある。

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