北朝鮮、中国から穀物輸入が急増 流通混乱継続か

「中朝友誼橋」を渡って北朝鮮へ向かう貨物列車=3月、中国遼寧省丹東(共同)

 【北京共同】北朝鮮が中国から輸入するコメと小麦粉の量が今年に入り急増している。昨年の不作に加え、穀物の流通統制を強めたことにより国内の作物が市民に十分行き渡らない混乱が続き、外部調達を拡大しているとみられる。

 22日までの中国税関総署の発表によると、3月のコメ輸入量は約4万6762トンで2月の2.5倍弱。1~3月は約7万6120トンになった。小麦粉も1~3月に2万6193トン輸入した。1~3月のコメと小麦粉の合計は10万2313トンで、昨年1年間の約13万373トンに近づいている。

 北朝鮮は新型コロナ対策として2020年1月に国境を事実上封鎖し輸入量が急減したが、それ以前の数年間と比べてもかなりのハイペースで輸入している。輸入のほかに非公開の無償援助が行われている可能性もある。

 北朝鮮は昨秋、自由市場での穀物売買を禁じ、住民は当局から決められた量を購入する制度が始まった。生産者が当局に買いたたかれるのを嫌って作物を闇取引に回したため当局が必要量を確保できず、供給が逆に滞ったもようだ。

中国東北部で、北朝鮮に輸出するコメを運ぶ人たち=3月(共同)

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