芸人・祇園の働き方 木﨑は1週間の育休「子ども優先に」 相方・櫻井が持つ「50歳で辞めてもいい選択肢」

お笑いコンビ・祇園が吉本興業のGWイベント「よしもと放課後クラブ in 万博記念公園」(5月5~6日、大阪・万博記念公園)に出演する。木﨑太郎(37)は2019年9月に結婚を、櫻井健一朗(38)は22年6月に婚約を発表した。がむしゃらにもがいた日々を超え、家族や今後の人生に目を向ける2人に、働き方のスタンスを聞いた。

21、22年と2年連続で学園祭出演数No.1に輝き、子どもに漫才を教えるワークショップでも活躍する祇園。木﨑は「楽しいんで。それが多く呼ばれてる理由なのか分からないですけど、一緒に楽しんでいるって感じですね」と分析しつつ、笑顔を見せた。

木﨑は21年3月に第1子の誕生を発表。22年3月には約1週間の育児休暇を取るなど「今はスケジュールが子ども優先になってますね。子どもの用事があったら休むみたいな」と“仕事一筋”からは距離を置いた。

「(家族と)そこまでずっと一緒にいるっていうのが無かったんで、すごく貴重な時間だった」と育休期間を回想。ただ「ほんまは1カ月くらい取ろうかなと思ってたんですけど、無収入になるわけじゃないですか、それが怖すぎて」と危機感から十分な期間とはいかなかった。

当然、木﨑の育休中は相方の櫻井も収入面で打撃を受けることになる。しかし、櫻井は「もっと長く取ると思ってからの1週間なんで『1週間なんや!?』っていう、そっちでしたね」と話した。もちろん仕事と子育ての両立に苦労する相方を気遣う面もあるが、櫻井も独自に先を見据えて歩んできた。

「がむしゃらにやっても食べられないみたいな時代が長く続いて、13年くらいは腐っていた」と櫻井が振り返った不遇の時代。18年に「第53回上方漫才大賞」新人賞を受賞し、底を抜け出した頃から「50歳で辞めてもいい選択肢を持っておきたい」との気持ちが芽生えたという。

「『これはやる、これはやらん』を自分で決めたいっていうのはどうしてもあって。50歳で『やりたくないけど、お金のためにやらないといけない』っていう状況どうなんやろう?っていうのはあります」(櫻井)

もちろん「50歳で辞める」というのは選択肢のひとつであり、実際にそうなるかは別問題。しかし「10年以上は休める蓄えはあるんじゃないですかね」と笑う櫻井に、木﨑は「1人でTV出たり、1人でライブやったり。(櫻井が)もしパッと辞めた時に食いっぱぐれないように」と念のために準備を進行中。関西テレビ「千原ジュニアの座王」(関西ローカル。金曜、深夜0・55)などで活動の幅を広げている。

櫻井も昨年、一般女性と婚約。「逆もあるでっていうことですね」と先で自分も育休を取得する可能性を示唆すると、木﨑も「もちろん大丈夫です、お互いさまなので」と了承した。

◆祇園 木﨑太郎(きざき・たろう=1985年12月27日、大阪府出身)と櫻井健一朗(さくらい・けんいちろう=1984年6月18日、京都府出身)によるコンビ。吉本興業所属。ともにNSC大阪校28期で05年結成、一度解散を経て08年4月に再結成。18年に「第53回上方漫才大賞」新人賞受賞。20年に「M-1グランプリ」準決勝進出。

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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