笠岡市・笠岡諸島の北木島で22日、江戸中期から続くとされる伝統行事「流し雛(びな)」(市重要無形民俗文化財)があり、島民らが無病息災や家内安全を願い、手作りの雛人形を小舟にのせて海に流した。
島東部の大浦海岸に島民ら約80人が集まり、麦わらや厚紙で作った「うつろ舟」に紙製の雛人形をのせ、波打ち際にそっと浮かべて見送った。島内の祖父母宅に遊びに来ていた同市、会社員(27)は「健康に1年過ごせるよう祈った。うまく小舟が流れてほっとした」と話した。
流し雛は毎月1体ずつ作った雛人形に災厄を移し、人形供養で知られる淡島神社(和歌山県)の方角に向けて流す行事。北木島では旧暦の3月3日に行われ、うるう月のある今年は1体多い13体を舟にのせた。