オリオン座のラズベリー星雲 米国NOIRLabが画像公開

こちらは「オリオン座」の方向にある輝線星雲「LBN 867」、別名「Raspberry Nebula(ラズベリー星雲)」の姿。オリオン座の左肩で輝く星「ベラトリックス(Bellatrix)」の近くに位置しています。

【▲ オリオン座の輝線星雲「LBN 867」、別名「ラズベリー星雲」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSD/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab) Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab))】

炎を思わせるLBN 867の赤色は、電離した水素ガスが放つ赤い光によるものです。このような領域は「HII(エイチツー)領域」と呼ばれています。中央で輝いているのは高温のB型星「HD 34989」で、水素ガスはこの星から放射された紫外線によって電離しています。

画像ではかなり明るく輝いているように見えるHD 34989ですが、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、HD 34989の見かけの明るさは地球から見た天王星と同じくらい(約6等級)。光害の影響を受けていない暗い空の下であれば肉眼でもギリギリ見える程度の明るさです。

また、HD 34989の下には青白い雲のような領域が広がっています。これはHD 34989の光を星間塵が反射している反射星雲「vdB 38」で、赤く輝くLBN 867とのコントラストが印象的です。

この画像はキットピーク国立天文台(米国アリゾナ州)のメイヨール望遠鏡に設置されている観測装置「Mosaic-3」で取得したデータ(3種類のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、NOIRLabから2023年4月19日付で公開されています。

Source

  • Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSD/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab) Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
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文/sorae編集部

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