ごみ拾いで若者集う場、守りたい 沖縄・名護商工高1年の古堅蘭丸さん 「恥ずかしさ」越え、1人で行動

 【名護】沖縄県名護市の21世紀の森公園にあるアーバンスポーツ広場(通称・名護ランプ)で日頃、スケートボードの技術力向上に励んでいる古堅蘭丸さん(15)=名護商工高校1年=が、自主的にごみ拾いを始めた。

 きっかけは、蘭丸さん同様にスケーターやバスケットの練習をする多くの若者が集う大切な広場を、いつまでも存続させたいという純粋な思いだ。

 広場が24時間開放されているため、無残に捨てられるごみに蘭丸さんは「傍若無人に見過ごしても良いのか」と葛藤を感じ始めた。

 自問自答の末、「広場で遊ぶ子どもたちがまねして悪影響が広がれば名護市が汚れていく」と、ごみを拾うという「恥ずかしさ」を押しのけ、1人、行動を起こす結論に至った。

 蘭丸さんは「名護市でスケボーができる唯一の広場をきれいに使いたいし、マナー違反が原因で広場が使えなくなると困る。広場を守るためにもごみ拾いを行う」と明確な意志で語る。

 母親の七重さんは「たくさんの子どもたちが頑張っているこの場所が汚れることで、非行の温床というイメージが行政に持たれ、撤去しようとする危惧も聞かれた。蘭丸もスケボーによって救われて明るくなり、良い方向に変わった。大切な子どもたちの居場所を存続し、より設備を充実して活性化してほしい思いがある」と、蘭丸さんの活動を応援する。

 蘭丸さんのごみ拾いは、出掛ける先々で行われる。もちろん、ただ拾うだけではない。名護市はごみの分別が徹底していることから、持ち帰ったごみを仕分ける作業もある。今後は一緒にごみを拾う「同士」も増やし、最終的には、誰もごみを捨てない名護市にすることが目標だ。

(池辺賢児通信員)

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