喜びの一服 4年ぶり「栄西茶会」 後楽園能舞台で献茶 各流派が茶席

厳かな雰囲気の中で献茶奉仕を行う速水流家元・速水宗燕宗匠=後楽園能舞台

 喫茶の風習を中国から持ち帰り、日本に広めた臨済宗開祖・栄西(岡山市出身、1141~1215年)をたたえる「第78回栄西禅師賛仰献茶式・大茶会」(栄西禅師賛仰会、山陽新聞社主催)が23日、岡山市北区の後楽園で開かれた。新型コロナウイルス禍を乗り越えて、4年ぶりの開催。春の名園に会した茶道愛好者や観光客ら約2500人が、喜びの一服を堪能した。

 能舞台で献茶式があり、同賛仰会長の松田正己山陽新聞社社長が「再開できて大変うれしい。一服を楽しみながら茶祖の遺徳をしのんでほしい」とあいさつ。参会者が見守る中、速水流家元・速水宗燕宗匠が典雅なお点前を披露。臨済宗建仁寺派管長の小堀泰巌老大師が、栄西をまつる祭壇に茶をささげて読経した。

 鶴鳴館など園内7カ所には表千家、裏千家、武者小路千家、藪内流、速水流の茶道5流派と煎茶・東阿部流による茶席を特設。来園者は爽やかな新緑をめでつつ、茶道具や菓子など趣向を凝らしたもてなしを満喫した。

© 株式会社山陽新聞社