実は法律として施行されている「子どもの読書活動推進」4~5月は読書に勤しもう!「子ども読書の日」「こどもの読書週間」をチェック

4月23日は「子ども読書の日」、4月23日~5月12日は「こどもの読書週間」です。

期間中は全国各地で子どもの読書を推奨するさまざまなイベントが行われます。

ぜひこの機会に、ご家庭で「子どもと読書」のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。

子ども読書の日とこどもの読書週間について、詳しくご紹介します。

4月23日は「子ども読書の日」

毎年4月23日は「子ども読書の日」です。どのような日なのか見ていきましょう。

子どもの読書活動を応援する日

子ども読書の日は、「子どもたちが意欲的に読書活動に取り組むこと」を目指して制定されました。

子ども読書の日の根拠となるのは、2001年(平成13年)12月に成立、公布・施行された「子どもの読書活動の推進に関する法律」です。

政府は子どもの読書機会を増やすため、国を挙げて継続的に子どもの読書を支援していくことを決定しました。

そして子ども読書の日は、国が子どもの読書を応援するための取り組みの一つです。

政府が公式に「子ども読書の日」を制定したことにより、毎年全国ではさまざまな読書関連のイベントが行われるようになりました。

参考:子どもの読書活動推進の取組~子どもの読書活動の推進について~|文部科学省

なぜ4月23日なの?

4月23日は、「ハムレット」などで知られるウィリアム・シェイクスピアや「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスの命日です。

ユネスコ(UNESCO:国際連合教育科学文化機関)はこの日を「世界図書・著作権の日(World Book and Copyright Day)」に定め、「読書と文化の発展を促進する日」としました。

また4月23日は「サン・ジョルディの日」でもあります。

サン・ジョルディとは、スペイン・カタルーニャ地方で愛の守護聖人としてたたえられる伝説の騎士です。

人々は4月23日になると、愛する人に本と花を贈り合うのがならわしとされています。

すなわち4月23日は、世界中で本に関連するイベントが行われる日。

子ども読書の日の主旨に、ぴったりなのです。

4月23日~5月12日は「こどもの読書週間」

引用:公益社団法人 読書推進運動協議会

子ども読書の日からスタートするのが「こどもの読書週間」です。こちらはどのような経緯で制定されたのでしょうか?

「こどもたちにもっと本を」という願いからスタート

こどもの読書週間は、「公益社団法人読書推進運動協議会」が提唱する読書週間です。

「こどもたちにもっと本を!」との願いからスタートし、全国各地の書店や図書館で本に関するイベントが行われるようになりました。

ちなみにこどもの読書週間の「こども」は、ひらがなです。

これは「こどもの日」に名称を合わせているためなのだそうですよ!

2000年から現在の期間に

こどもの読書週間が始まったのは、1959年(昭和34年)のこと。

スタートから60年以上という長い歴史があります。

第1回は「日本書籍出版協会児童書部会」が主催し、4月27日から5月10日まででした。

第2回は「公益社団法人 読書推進運動協議会」の主催となり、期間は5月1日から14日までに変更されます。

現在のように4月23日から5月12日となったのは、2000年からです。

2000年は、国会の決議により「子ども読書年」に制定された年。

「国立国会図書館 国際子ども図書館」もオープンし、子どもの読書を推進するさまざまな取り組みが行われました。

こどもの読書週間も約3週間に延長され、現在まで引き継がれています。

公益社団法人 読書推進運動協議会

子ども読書の日やこどもの読書週間はなぜ必要?

「読書」という極めてプライベートな活動を、国が積極的に支援するのはなぜなのでしょうか?

子ども読書の日やこどもの読書週間が制定された背景をご紹介します。

本を全く読まない子どもが増えているため

そもそも「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定されたのは、子どもの読書離れが危惧されたためでした。

子どもたちは、年齢が上がるにつれて読書をしなくなる傾向が強くなります。

小さいうちから読書に親しむことが、読書習慣の形成に必要と考えられました。

文部科学省は、読書活動について「子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」としています。

本に親しむことは、教育面はもちろん、心の成長にとっても重要です。

参考:子どもの読書活動推進の取組~子どもの読書活動の推進について~(文部科学省)

大人にとっても本に触れる機会になるため

読書を推奨する日や期間は、大人にとっても本と親しむチャンスです。

図書館や書店に足を運べば、夢中になれる本に出会えるかもしれません。

子どもの読書習慣は、周囲の大人の影響を受けます。

親が本を読まない、もしくは本が少ない家庭の子どもは、本に親しむ機会が少なくなってしまいます。

子どもの読書習慣を形成するためには、大人も一緒に本の楽しさを知る・伝えることが必要です。

子ども読書の日やこどもの読書週間には、ぜひ図書館や書店に足を運んでみましょう。

子どものうちから読書の習慣をつける7つのメリット

子どもの読書の重要性については、すでにさまざまな場所で言われています。

ご存知の方も多いかもしれませんが、読書習慣を身に付けるメリットについて今一度確認しましょう。

語彙力や読解力がアップする

読書では、物語の流れで知らない言葉を学べるのがメリットです。

意味も分からず丸暗記するよりも、はるかにしっかりと子どもの頭に定着します。

また物語をたくさん読めば、お話の流れを把握する力・作者の意図を読み取る力もアップ。

語彙力や読解力が鍛えられれば、もっと難しいお話もスイスイ読めるようになるでしょう。

集中力が付く

お話を読み通すには、自分で言葉を追っていかなければなりません。

たくさん本を読むうちに、集中力が身に付きます。

勉強するとき、あるいは何かの作業をするときなど、飽きずにじっくりと取り組めるようになるはずです。

想像力が養われる

読書では、本に書かれた文字や絵などをヒントに場面を想像することが必須です。

子どもの想像力が刺激され、クリエイティブな感性を養えます。

コミュニケーションスキルが上がる

想像力は、「相手の気持ちを想像する」上で必要です。

読書によって想像力が高まれば、コミュニケーションスキルもアップします。

相手の気持ちを慮れる子どもは、余計なトラブルが起こりにくくなります。

誰とでも、円満な関係を築きやすくなるでしょう。

夢中になれる

お話に夢中になれるのも、読書の魅力の一つです。

時間を忘れて没頭できる何かがあれば、ストレスも溜まりにくくなります。

読書をたくさんする子どもほど、機嫌が安定している傾向です。

視野が広がる

知らない世界や過去の歴史なども、本から学ぶことが可能です。

子どもの視野が広がり、物事を多角的に見る目を養えます。

学力アップを期待できる

語彙力や読解力、集中力は、学力とも深く関係しています。

これらを兼ね備えた子どもは、勉強面でも有利になるかもしれません。

文部科学省が静岡大学に委託した調査によると、読書好きであることと教科の学力には深い相関関係があるとされています。

本が好きな子どもほど、高い学力が期待できます。

参考:平成21年度 文部科学省 委託調査研究学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究C.読書活動と学力・学習状況の関係に関する調査研究分析報告書|静岡大学

子ども読書の日&こどもの読書週間に開催されるイベント8選

ここからは、2023年の子ども読書の日&こどもの読書週間に開催されるイベントを紹介します。

身近なイベントがあれば、積極的に足を運んでみてくださいね!

【東京/国際子ども図書館】こどもの日おたのしみ会

東京都・上野公園にある国際子ども図書館で開催されるのが、「こどもの日お楽しみ会」。

5月5日のこどもの日、絵本の読み聞かせや手遊びといった楽しい催しが行われます。

対象は、4歳以上中学生以下の子どもとその保護者です。

開始30分前から整理券が配られるので、早めのお出掛けがおすすめ!

【場所】国際子ども図書館 アーチ棟1階 研修室1

【日時】2023年5月5日(金)13時00分~、15時00分~(各回30分程度、同じ内容)

【対象】4歳以上中学生以下の子どもとその保護者

【住所】東京都台東区上野公園12-49

【電話】03-3827-2067

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【広島/広島市立図書館】子ども読書まつり

広島市内にある各市立図書館では、こどもの読書週間のイベントを企画中。

期間中は、クイズやぬり絵などを楽しめます。

ぬり絵をカウンターに持参すると景品がもらえるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

【場所】各市立図書館

【期間】2023年4月15日(土)~5月14日(日)

【電話】082-221-6755(5-Daysこども図書館)

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【茨城/茨城県立図書館】子ども読書フェスティバル2023

茨城県立図書館では、5月5日に1~3の各階でお楽しみイベントを開催予定です。

読み聞かせはもちろん、バルーンアートやフリーマーケット、ファミリーコンサートなどが行われます。

飲食コーナーもあるので、1日楽しく過ごせそうですね。

【場所】茨城県立図書館

【日時】2023年5月5日(金)10:00~15:00

【住所】茨城県水戸市三の丸1-5-38

【電話】029-221-5569

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【福岡/大野城まどかぴあ図書館】図書館子どもまつり

大野城まどかぴあ図書館では4月15日(土)~5月14日(日)まで、「図書館子どもまつり」を開催。

ビンゴやクイズ、おはなしパーティーなど、楽しい催しがたくさんです。

ただし、おはなしパーティーは申込制なので、事前に問い合わせてくださいね!

【場所】大野城まどかぴあ図書館

【期間】2023年4月15日(土)~5月14日(日)

【住所】福岡県大野城市曙町2-3-1

【電話】092-586-4010

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【大阪/大阪市立図書館】子ども読書の日記念事業

大阪市立図書館では、中央図書館で絵本作家の青山友美さんによるワークショップなど、さまざまな催しが行われます。

市内各エリアの図書館でも、絵本の読み聞かせ、紙芝居、手遊びなどの楽しいイベントを開催予定です。

最寄りの図書館のスケジュールをチェックしてお出掛けしてくださいね。

【場所】大阪市立図書館全24館と自動車文庫

【期間】2023年4月15日(土)~5月31日(水)

【住所】市内各所

【電話】06-6539-3300(大阪市立図書館 OSAKA Municipal Library インフォメーション)

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【宮城/宮城県図書館】子どもの本展示会

宮城県図書館では、4月21日(金)~5月11日(木)まで、子どもの絵本の展示会を実施します。

1階のエントランスには、2022年に出版された絵本約2,000冊が展示される予定です。

ぜひ親子でお気に入りの1冊を見つけましょう!

【場所】宮城県図書館1階エントランス

【期間】2023年4月21日(金)~5月11日(木)

【住所】宮城県仙台市泉区紫山1-1-1

【電話】022-377-8447

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【岐阜/岐阜県図書館】子ども読書フェア

岐阜県図書館では、4月23日(日)~5月12日(金)まで、子ども読書フェアを開催予定です。

内容は、図書館のバックヤードツアーやシネマ上映、ブックカバー作りなどと盛りだくさん。

大人から子どもまで楽しめるので、気軽に足を運んでみましょう。

【場所】岐阜県図書館

【期間】2023年4月23日(日)~5月12日(金)

【住所】岐阜県岐阜市宇佐4-2-1

【電話】058-275-5111

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【北海道/紋別市立図書館】絵本作家★よしながこうたくライブペイント

紋別市立図書館は、子ども読書の日事業として「絵本作家★よしながこうたくライブペイント」を開催予定です。

当日は、「給食番長」などで知られる「よしながこうたく」さんが、子どもたちとお話をしながら即興で絵を描いてくれます。

イベント後は、サイン会も開催予定!

【場所】紋別市文化会館3階 サークル室

【期間】2023年4月23日(日)10:00~11:00

【住所】北海道紋別市幸町3丁目1番8号

【電話】0158-24-2261

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おすすめ書籍のご紹介

ここからは是非読んでもらいたい書籍を3タイトルご紹介します。

にぎやかもりのツリーハウス

森の動物たちが集まれる家作りを提案したねずみくん。

仲間が特技を活かして作っている中、自分が役に立てたのか不安になり……。

作:新井悦子
絵:どいかや
定価: 1,496円(本体1,360円)
発売年月:2023年4月
サイズ:縦270mm × 横210mm × 背幅9mm
ページ数:32ページ
ISBN:9784577051429
対象年齢:4~6歳

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やさいのうた

人気の童謡「やさいのうた」を歌いながら、ポップなイラストに合わせて手遊びも楽しめるうた絵本。

イラスト:田代卓
定価:968円(本体880円)
発売年月:2022年4月
サイズ:縦180mm × 横160mm × 背幅15mm
ページ数:22ページ
ISBN:9784577050545
対象年齢:0~2歳

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PUI PUI モルカー プイプイレーシング

ここはモルカーの世界。

さあ、「プイプイレーシング」がはじまるよ!優勝するのはだれかな?

監修:見里朝希
監修:シンエイ動画
定価:1,100円(本体1,000円)
発売年月:2023年4月
サイズ:縦210mm × 横190mm × 背幅10mm
ページ数:32ページ
ISBN:9784577051726
対象年齢:3~6歳

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まとめ

子ども読書の日やこどもの読書週間は、子どもたちが読書の楽しさや素晴らしさを知るチャンスを増やすために制定されました。 4月23日から5月14日は、ゴールデンウィークの期間でもあります。ぜひ親子で本に関係するイベントに参加してみてくださいね。 読書は、人の心を豊かにしたり強くしたりしてくれる大切な習慣です。 「最近本を読んでいないかも」という大人の方も、ぜひこの機会を利用して本の楽しさを思い出してみてください! 文/カワサキカオリ

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