
スポーツ界の暴力パワハラ問題で、共同通信のアンケートに回答した五輪・パラリンピック競技の56団体のうち9割超の54団体が相談窓口を設置し、約7割の39団体で活用された実績があることが24日、分かった。スポーツ界の「暴力行為根絶宣言」から25日で10年。相談内容(複数回答)の最多はパワハラ(無視、差別、罰走など)で、暴言が次に多かった。一方、窓口の課題(複数回答)として最多は「調査能力の限界」で、構造上の問題も浮き彫りになった。
2013年1月に発覚した柔道女子日本代表の暴力指導問題などを受け、各競技が設置した窓口は9割超の団体で弁護士など外部の人材が関与し、処分規定も整備されていると回答。日本サッカー協会の相談件数は10年で1400件を超え、かねて閉鎖性を問題視されてきたスポーツ界で一定の成果が表れた形だ。一方で匿名による通報の場合、調査が困難な現実が指摘され、財政基盤の弱さも課題に挙がった。
アンケートは21年東京大会と22年北京冬季大会での実施競技を統括する67団体を対象とした。