<商品が自ら売り込み?> IT大手が開発 ロボット装置で新たな販促

「抹茶の苦味や甘さを楽しめます」と立ち止まった来店者に声をかける菓子(24日、大阪市で)

まるで商品自らが来店者に売り込むよう――。大阪市のスーパーに24日、新たな販売促進の仕掛けが登場した。来店者の行動に合わせ、ロボット装置で商品を動かしながら、味の特徴などを音声で伝える。商品を覚えてもらいやすく売り上げが高まる効果も期待できるとして、IT大手などが実用化を目指す。

手がけるのは、IT大手のサイバーエージェント(東京都渋谷区)。「自己推薦ロボット」と銘打ち、大阪大学と連携して実用化を目指している。

上下移動や回転する台の上に商品を置いて使う仕組みで、前を通ったり立ち止まったりするとセンサーが反応。商品が踊っているように動かしながら「立ち止まってくれてありがとう」などと音声を出す。同社は「商品に愛着を持ってもらえる仕組みにしたかった」とする。

過去の大型雑貨店での実験では、通過者が立ち止まる割合が約2倍となり、販売につながる割合も約7倍となった。今回は3カ月間設置してもPR効果が続くか検証する。音声は英語にも対応し、インバウンド(訪日外国人)への発信も想定する。同社はロボットを活用した販促手法について、今夏以降に試験的な販売を予定する。

© 株式会社日本農業新聞