花總まり,瀬奈じゅんetc.出演ミュージカル『SUNNY』原作映画上映会レポ

大ヒット韓国映画『SUNNY』(2011年公開)、映画監督カン・ヒョンチョルの2作目の長編映画作品。42才の女性が離れ離れになった高校時代の仲間たちを探す過程で、青春時代の輝かしい日々を取り戻す様子を1970年代から1980年代の数々のヒットナンバーにあわせて描く。カン・ヒョンチョル監督は前作『過速スキャンダル』が韓国で観客動員数824万人を記録したのに続き、本作でも736万人の観客動員を突破した。この映画を原作としたミュージカル『SUNNY』が6月26日より開幕する。公演に先駆けて原作映画上映会が都内で催された。世界で初めて舞台化。バブル経済絶頂期の 1980年代と現代の日本を舞台に、学生時代と大人になった 「SUNNY」メンバーが笑いと涙の青春物語を繰り広げる。80年代のヒット曲に乗せて、誰もが経験しただろう淡い青春時代と、大人になりそれぞれ事情を抱えている彼女たちの今が交錯。NHK「とと姉ちゃん」や、TBS「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」ほか数々の人気ドラマや、映画、舞台など、ジャンルを超えて幅広く活躍する西田征史が描く。
原作映画の主人公は夫や娘に恵まれ、慌ただしいながらも幸せな生活を送っていたイム・ナミ(ユ・ホジョン)。ある日、母の入院先で高校時代の友人ハ・チュナ(チン・ヒギョン)と再会するも、彼女は癌に冒され、余命2か月と宣告されていた。最期の願いとして高校時代の仲良しグループ「サニー」のみんなに会いたいというチュナの願いを叶えるために「サニー」のメンバーを探す過程で、ナミの人生で最も輝いていた時代の記憶が蘇る…というのが大体の流れ。1980年代後半の韓国は、全斗煥大統領時代の第五共和制であり、1988年のソウルオリンピック開催を控え、国内の経済成長を果たした一方で、民主化を求める学生運動やデモが絶えない時代。そういった当時の政治情勢や文化状況が映画内でも反映されている。これを日本に置き換え、時代は1980年代、日本はバブル絶頂期、原作のストーリーをリスペクトしつつ、日本ならではの”味付け”が期待される。原作映画では当時流行っていたシンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」や、ボニーMの「Sunny」などの楽曲が流れる。舞台版では、どんな楽曲が使われるのか、ここは興味深いポイント。また、一世を風靡したバブリーダンスのakaneが振付で参加、ここも注目すべきところ。
上映会の後、簡単なトークショーが行われた。登壇したのは脚本・演出の西田征史。MCは古家正亨、聞き手は翻訳家・ライターの桑畑優香。
トークショーを始める前にMCより「すでに映画を見たことのある方」と呼びかけたところ、何人かが挙手、何度も観ているお客様がすでに。西田征史ははオファーを受けて、だそうだが、作品を見て決めたそう。西田征史は1975年生まれ。「青春時代は1990年代」と語る。続けて「1980年代は憧れの時代」と語る。アイドル全盛時代、ポスタービジュアルを見ると若かりし頃の登場人物たちの髪型が……。

「この髪型にしてた!ディスコ、通ってた!」という世代にはジャストミート、そして今、また、80年代の歌謡曲やシティ・ポップ、ディスコポップが世界で再評価されている。若い世代にも興味深い作品に。舞台版はどうなるのか、ネタバレになるので詳細は開幕まで”お預け”だが、「映像を見ているかのように」とちょっと演出プランも。歌に関しては「みんなが知ってる歌を楽しんでもらおうと」とコメント。ここはどんな楽曲が飛び出すのか、お楽しみ。メインキャラクターを演じる花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美。物語の登場人物と世代的にはほぼ同じ。ここをどうシンクロさせていくのか、興味は尽きない。「80年代のエネルギッシュな時代感を」と西田征史。また、花總まりは元宝塚歌劇団宙組・雪組トップ娘役、瀬奈じゅんは元宝塚歌劇団月組トップスター、歌唱力は折り紙付。また、「ディスコのシーンも」とちらっとネタバレ。ただ、80年代と言えばディスコは”必須アイテム”。「映画と同じシーンもあります。最初のシーンは変わっているのでお楽しみに」とのこと。どこが同じなのか、最初のシーンはどう変わるのか、ここは劇場でご確認を。また、現代のシーンを膨らませ、最後のダンスシーンについては「お楽しみに」とのこと。MCより西田征史に質問、この物語にでてくるような仲間、グループは身近にいたかどうかの質問に「SUNNYのような仲間はいませんが、学生時代を思い出しながら」と回答。最後に西田征史から「(原作の)魅力を損なわないように…楽しんでいただけたら」とコメント。聞き手の桑畑優香も「いろんな期待感が高まりました」とコメント。ちなみに脚本を執筆しながら演出プランは考えるそうで脳内ではすでに演出プランが。最後にフォトセッション、会場の観客全員がシャッターを切る。公演は6月26日より開幕。ドンピシャ世代もそうでない若い世代にも刺さるミュージカルになりそうだ。

物語
1980年代、とある女子高生たちの青春時代を彩った仲良しグループ「SUNNY」。月日は流れ、今は主婦となった奈美(花總まり)は、反抗期の娘と仕事で出張の多い夫と何不自由ない暮らしを送っていた。ある日、奈美は「SUNNY」のリーダーであった千夏(瀬奈じゅん)と偶然再会し、彼女が大病のため余命1か月を宣告されていることを知る。そして病床の千夏からある頼みごとをされる。それは、バラバラになってしまった「SUNNY」のメンバーにもう一度会いたい、というものだった。彼女の願いを叶えるため、奈美は探偵を雇い、かつてのメンバーたちを探し 始めるのだが──。

ミュージカル『SUNNY』概要
脚本・演出:西田征史
振付:akane
出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁
川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、
飯沼帆乃佳、菊田万琴、浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃
日程会場:
東京:2023年6月26日(月)〜7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
大阪:2023年7月9日(日)〜13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
チケット料金:
東京:S席12,500円 A席8,000円 B席5,000円
大阪:全席指定席12,500円 (全席指定・税込)
一般発売開始:2023年4月22日(土)(東阪共通)
問合:10:00〜18:00 〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
企画・制作・主催:梅田芸術劇場

HP:https://www.umegei.com/sunny/

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