富山湾でホタルイカの記録的不漁が続いている。富山県滑川市では3月1日の解禁以来、漁獲量が平年の1割程度という深刻ぶりだ。不漁は富山だけとみられ、県水産研究所(同市)は「水温や海流の変化で、富山湾に入る群れが減った可能性がある」と分析。ただ、ホタルイカはもともと謎が多く、原因の特定には至っていない。
ホタルイカは、海面で青白く光る幻想的な風景が春の風物詩として知られ、旬の味覚としても人気だ。日本海に広く分布し、定置網漁が盛んな富山以外でも、福井や兵庫、鳥取などで底引き網漁が行われている。
富山県水産研究所によると、滑川市の2013~22年の平均漁獲量(4月10日時点)は221トンだが、今年は10日時点の速報値で28トンにとどまる。ホタルイカは産卵のために群れで富山湾に集まるが、漁期前の1~2月に行った調査では網にかかる個体数が極端に少なかったという。