アスリートも苦しむ生理痛…女性同士でも理解進まず 「休むの悪い」と思われない環境必要

生理痛について語るノジマステラ神奈川相模原に所属するGK池尻凪沙さん=相模原市南区

 「新社会人のストレスで病むのに畳みかけるように生理」「生理痛ひどすぎて仕事行けない」ー。交流サイト(SNS)上では生理痛や月経不順など、女性特有の健康問題に関する内容が毎日のように投稿されている。新生活も始まった中、今後どう生理と向き合って暮らしていけばいいのだろうか。女性が生きていく上でのヒントを探った。

◆同性でも理解進まず

 サッカー女子「WEリーグ」のノジマステラ神奈川相模原に所属するGK池尻凪沙さん(26)は、年々ひどくなる生理痛に悩まされている。「(痛くても)ただの生理痛でしょ?と周囲から返されてしまう。まだまだ理解されない部分はある」と、女性同士でも分かり合えないことがあると打ち明ける。

 学生時代は月経1日目、2日目は必ず痛み止めを飲むなど、できるだけの対策を取りながらやり過ごしてきた。「よく試合でユニホームに『(経血が)漏れてない?』と、チームメートと共に確認し合っていました。もし付いていたらにじんでしまうので恥ずかしくて…」

 大学卒業後、当時なでしこリーグ1部に所属していた、マイナビベガルタ仙台レディースに加入。2021年からはノジマステラに所属している。

 いまのトレーナーは男性陣ばかりだが「『きょうは生理痛つらい』などは、言えるには言える」という。だが「(痛み止めの)薬飲めば行けるっしょ、みたいな雰囲気はある。こっちは飲んでも無理なんだけど…」との思いも吐露する。

 チームは2022ー23シーズンから、メディカル体制を強化。婦人科医を顧問として招くなど、選手に対し積極的に受診へのサポートを行っている。

 またチーム内には低用量ピルを服用している選手も多いことから、今後池尻さんも服用を検討していくという。

 池尻さんは「社会人でも生理痛で動けない女性はいると思う。どの企業も生理休暇を設けるなど、『休むのが悪い』と思われない環境づくりが必要」と力強く語る。 

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