「オーガニックビレッジ」宣言 特徴生かし「有機」推進 塩谷

しおやこども園で有機米のご飯を頬張る園児たち。町内3カ所の保育園では今月、給食で有機米の提供が始まった

 【塩谷】町は地域ぐるみで有機農業を推進する「オーガニックビレッジ」を宣言した。技術指導などを通じて有機農業への参入、育成を支援し、学校・保育園給食に有機農産物の活用を促進するなど、生産から消費まで一貫して取り組んでいく。5年間の実施計画を基に有機農業者を4倍に増やす目標を掲げた。

 同ビレッジは、農林水産省の「みどりの食料システム戦略推進交付金」事業に認定された。宣言日は14日。町、農業団体・個人、民間企業などからなる「自然と共生する農業づくり協議会」が10カ月かけて実施計画を策定した。

 計画では2022年度と比べた27年度の有機農業の面積は1.3倍の21ヘクタール、農産物などの販売量は1.5倍の85トン、学校給食への供給量は23倍の16トン、農業者は4倍の13人へ拡充を目指す。中山間地が多い町の特徴を考慮し、面積よりも農業者の増加を重視した。本年度予算は810万円。

 これらの目標を達成するため、10月開庁予定の新町庁舎、玉生小近くに実証ほ場(約3500平方メートル)を借り上げて技術指導や田植え体験を行う。町内全ての小中学校・保育園の給食に「有機米」を提供していく。

 見形和久(みかたかずひさ)町長は「町の特徴を考えると、必然的に(小規模でも農業経営が成り立つ)有機農業に取り組まざるを得ない環境があった。思い切って進めていきたい」と力を込めた。

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