防衛装備品の海外移転へ議論促進 首相「重要な政策的手段」

参院本会議に臨む岸田首相=26日午前

 岸田文雄首相は26日の参院本会議で、防衛装備品のさらなる海外移転に向けた議論を促進する考えを示した。日本にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法違反の侵略を受けている国への支援を挙げ「重要な政策的手段となる。与党における検討も踏まえつつ、議論を進める」と述べた。防衛費増額に伴う増税方針にも重ねて理解を求めた。

 自民、公明両党は25日に防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を巡り、運用指針の見直しに関する協議を始めた。首相は与党と連携し、取り組みを加速させたい考えだ。

 首相は参院本会議で、昨年末に閣議決定した安保関連3文書に関し「非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての歩みを変えるものではない」と強調した。

 立憲民主党の宮口治子氏は、3文書に保有が明記された反撃能力の行使が国際法違反の先制攻撃となる可能性をただした。首相は「国民の命と暮らしを守り抜くために、憲法、国際法、国内法の範囲内で運用されるものだ。憲法違反の武力行使を行わないことは言うまでもない」と反論した。

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