首相襲撃後も「うな丼食べた」と失言 谷国家公安委員長「誤解招きかねず不適切」と釈明

報道陣の取材に応じる谷公一氏=東京都千代田区

 岸田文雄首相が襲撃された事件を巡り、自民党の谷公一国家公安委員長兼防災担当相(衆院兵庫5区)が「(警察庁から連絡を受けた後も)うな丼をしっかり食べた」と発言した問題で、谷氏は26日、報道陣の取材に応じ「舌足らずで誤解を招きかねない発言をしたという意味では、適切ではなかった」と釈明した。自身の進退については「治安を預かる者として責任と緊張感も持って職務にまい進したい」と述べた。

 谷氏は発言の意図を問われ「地元の自慢の名物ということで、(あいさつで)口に出してしまった」などと説明。「批判をしっかり受け止めないといけない」とした。

 岸田首相が衆院和歌山1区補欠選挙の応援に訪れて襲撃された4月15日、谷氏は南海トラフ巨大地震の被災地と想定される高知県を視察中だった。25日にあった自民党議員のパーティーのあいさつで「四万十でおいしいうな丼を食べられると楽しみにしていた。これから食べようという時に、警察庁から電話があった」などと発言していた。

 発言を受け、26日の参院本会議で野党側は「緊張感がない」などと更迭を求めたが、岸田首相は「出張先で必要な指示、情報収集を行いながら用務を継続した。引き続き職務に当たってもらいたい」と拒否した。(堀内達成、末永陽子)

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