吉備真備姿で豪雨支援の恩返し 真備の推進協 ホーエンヤ祭参加へ

衣装合わせをする箭田地区まちづくり推進協議会メンバー

 倉敷市真備町の箭田地区まちづくり推進協議会のメンバーが29日、地元ゆかりの奈良時代の政治家吉備真備を祭神とする賀露神社(鳥取市)の大祭「ホーエンヤ祭」に5年ぶりに参加する。2018年の西日本豪雨では氏子らが真備町に支援金を届けており、「恩返しに祭りを盛り上げたい」と準備を進めている。

 祭りは、約1260年前に遣唐使だった吉備真備が帰国中、嵐に遭って賀露沖の島に漂着し、住民が船で陸へ奉曳(ほうえい)して助けたとの伝承が起源。みこしや武者行列、獅子舞などが練り歩いた後、行列の参加者が船に乗って航行する。鳥取県指定無形民俗文化財。隔年開催だが、新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた。

 協議会は神社と交流を続ける中で、18年4月の祭りに初参加。7月の西日本豪雨で真備町が大きな被害を受けると、8月に氏子らが駆けつけた。岡村吉明宮司(85)は「復興が日々進んでいると聞いている。久しぶりに会えるのを楽しみにしている」と話す。

 参加するのは8人。吉備真備を模した衣装に烏帽子(えぼし)をかぶり、笏(しゃく)を持ち、台船に乗って海上行列に加わる。25日には真備公民館箭田分館(倉敷市真備町箭田)で衣装合わせを行い、「こっちのほうが似合うんじゃない」と声を掛け合いながら赤、紫、緑など多彩な色や柄の中から選んだ。

 協議会の土屋瞳会長(75)は「今の真備町の様子を伝え、元気な姿を見てもらいたい」と話している。

© 株式会社山陽新聞社