中国、「反スパイ法」改正可決 定義拡大、締め付け強化へ

北京市内に設置されている監視カメラ=26日(共同)

 【北京共同】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会の会議は26日、「反スパイ法」の改正案を可決した。中国の通信社、中国新聞社が伝えた。改正でスパイ行為の定義が拡大され、外国人への締め付けが厳しくなることが懸念される。中国での外国企業の活動にも影響しそうだ。

 改正案の審議は今回で3回目。柱はスパイ行為の定義の拡大で、これまで取り締まり対象としてきた「国家機密」の提供などに加え、「その他の国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」の提供や窃取などもスパイ行為となる。

 昨年末にパブリックコメント(意見公募)で公開した改正案を今回修正し、「スパイ組織およびその代理人」による国家機関や重要インフラなどへのサイバー攻撃もスパイ行為と見なす。

 昨年末に公開された改正案によると、スパイ行為の疑いのある人の手荷物を検査する権限も当局に与える。中国メディアの報道によると、現行法で取り締まり対象とされる「その他のスパイ活動」という曖昧な規定は改正後も維持される。

24日、北京で開かれた中国全人代常務委員会会議(新華社=共同)

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