厚木・依知地域の魅力紹介 6月25日まで郷土博物館 養蚕資料や市有形文化財も

依知地域の養蚕で使われた道具を説明する学芸員ら=あつぎ郷土博物館

 厚木市北部の依知地域の文化や自然などを総合的に取り上げて同地域の魅力を広く知ってもらう展示「地域再発見 依知地域の魅力 弁財天・養蚕・鷺(さぎ)」が同市下川入のあつぎ郷土博物館で開かれている。入場無料で6月25日まで。

 同館が昨年から市内8地域の魅力を1年に1地域ずつ紹介する「地域展」の一環。依知地域でかつて盛んだった養蚕関連の資料や、1月に「絹本著色(けんぽんちゃくしょく)弁財天十五童子像」が市の有形文化財に指定された妙傳寺(みょうでんじ)(同市上依知)の所蔵品、豊かな水辺に生息する多様なサギなど、さまざまな展示品が並んでいる。

 養蚕関連では、同市山際に1888年、養蚕技術の改良や普及のために設立された養蚕結社「順気社」関連の資料を展示。同博物館学芸員によると、1年に3回程度、蚕を育てるのが普通だった当時に、「順気社」では温暖飼育法などで年に5回も蚕を育てる優れた技術があったという。技術を学ぼうと他県からも含め800人もが集まった時期もあったという。

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