県高校総体前特集 バスケットボール女子(2) 2年ぶりの優勝に向け士気高まる明豊 【大分県】

4月にあった南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九)の県予選で大分が優勝した。2021年のウインターカップ県予選から県内無敗は続く。1カ月後に控えた県高校総体でも大分が優勝候補の筆頭だが、虎視眈々(たんたん)とタイトルを狙うライバル校も力を付けている。県高校総体を前に実力校の現在地を探った。

第2回は2年ぶりの優勝を狙う明豊。南九県予選で準優勝し、勢いに乗る。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 ベスト8

ウインターカップ県予選 ベスト8

県高校総体 ベスト8

昨年の県高校総体で準々決勝敗退、そこからシード権を得られず、ベスト4の壁に阻まれ続け、苦しんだ1年間だった。杉山真裕実監督も「スタートのメンバーが固定できず、ずっと迷っていた」と振り返る。転機となったのが、年明けの県外遠征だった。下級生が力を付け、強豪校相手に互角に試合ができるようになり、新2年生を軸にチームをつくる方向性が固まった。

2月の県高校新人大会では準々決勝で大分に敗れたが、試合内容は悪くはなかった。1対1がめっぽう強い末永瑠奈(2年)が鋭いドライブで切り込み、羽田さくら(同)と原田美優(同)が外角からシュートを放つ。左利きのセンター永原琉衣(同)はシュートレンジが広い。チームとして内外のバランスが良く、どこからでも得点を狙えるようになった。

南九県予選で準優勝した明豊

南九県予選では、さらに攻撃力に磨きをかけた。「ディフェンスのミスには目をつぶり、点の取り合いに持ち込んだ」(杉山監督)。ヤマ場となった準々決勝の藤蔭戦では互いに攻撃力を出し切り、2点差で勝利すると勢いは加速した。準決勝の大分商業戦では第4クオーターに羽田が3点シュートを6本決める爆発力を見せ、決勝は大分に敗れはしたが、4人が2桁得点を記録するなど攻撃の的を絞らせなかった。さらに途中からコートに入ることが多かったキャプテンの坂本叶(3年)は勝負どころで点を決め、流れを変える6番手として活躍した。坂本は「チームが一丸となって戦えた。雰囲気はいいし、誰が試合に出てもまとまっている」と胸を張る。

県高校総体に向けて守備のテコ入れは急務だが、「あくまでも攻撃につながる守備をしたい。そのためにはディフェンスリバウンドを強化して、守備力の高い3年生の力も必要。緩急をつけて自分たちで試合をつくれるようにならなければいけない」と杉山監督。選手も守備の重要性を理解し、一つ一つのプレーが勝負を分けることを知った。2年ぶりの王者奪還に向けて、チームの雰囲気は上向きだ。

試合の流れを変える坂本叶

(柚野真也)

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