退任発表のアルファタウリF1代表トストがコメント「18年間、素晴らしい機会をくれたオーナー、マテシッツ氏に感謝」

 2023年末でスクーデリア・アルファタウリF1のチーム代表から退任することが決まったフランツ・トストが、昨年死去したレッドブル社のオーナー、ディートリッヒ・マテシッツに対する感謝のコメントを発表した。

 アルファタウリは、4月26日、チームのシニアマネジメント構造の変更を発表、2023年末で現チーム代表トストがそのポジションから退き、代わって、現在スクーデリア・フェラーリでレーシングディレクターを務めるローレン・メキースが後任となることを明らかにした。さらに、今年中に、元FIAエグゼクティブのピーター・バイエルがCEOとしてチームに加入し、新たなリーダーシップ体制を形成、トストは、2024年はチームのコンサルタントを務めることが決まった。

 トストは、アルファタウリの前身スクーデリア・トロロッソが創設された2005年からチーム代表を務め、チームを2回の優勝に導いた。アルファタウリ/トロロッソは、姉妹チーム、レッドブル・レーシングのために若手ドライバーを育成する役割も担っており、トストは、4度のF1チャンピオンとなったセバスチャン・ベッテル、2度のチャンピオン、マックス・フェルスタッペンをはじめ、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリーなど、大勢の優秀なドライバーたちを育て上げた。

2015年F1ヘレステスト フランツ・トスト(トロロッソ代表)、マックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツ

「まず、過去18年間、スクーデリア・トロロッソとスクーデリア・アルファタウリのチーム代表を務める素晴らしい機会を与えてくれたディートリッヒ・マテシッツに感謝したい」とトストはコメントした。

「これまでこのチームを率いることができたことは本当に光栄であり、F1への情熱を共有する意欲的でスキルのある大勢の人々と共に働けたことは、大きな喜びだった」

「67歳になり、役割を譲る時がきた。新しいCEOのピーターとチーム代表となるローレンという、非常にプロフェッショナルな2人を迎えることになる。彼らはこのチームを次のレベルへと引き上げてくれるだろう」

「これまで協力してくれたすべての人々に感謝したい」

2020年F1第8戦イタリアGP 優勝したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)とチーム代表フランツ・トスト

 レッドブルGmbHの企業プロジェクトおよび投資担当チーフエグゼクティブであるオリバー・ミンツラフは、トストに対し、感謝の言葉を贈った。

「まず初めに、過去18年間にわたりスクーデリア・アルファタウリとスクーデリア・トロロッソにおいて懸命に働いてきたフランツ・トストに感謝したい。フランツは、このチームで過ごす間、常に、マシンとドライバーにより高いパフォーマンスを追求するという、ひとつのビジョンに突き動かされてきた。彼のリーダーシップにより、傑出した勝利が実現し、F1史上最高の才能を持つドライバーたちが育て上げられたといえるだろう」

 トストの後任となるメキースは、「20年近く、ファエンツァのチームで指揮を執り、素晴らしい仕事をしてきたフランツに敬意を表したい」と語った。

「彼の今後の成功を祈る。ピーターと私はこれから、彼の意見やアドバイスに頼ることになるだろう」

 新CEOとなるバイエルは、次のようにコメントした。

「スクーデリア・アルファタウリとその前身であるスクーデリア・トロロッソへのフランツの献身に感謝したい。彼は才能ある若手の育成に取り組んできた。F1グリッドにいる25パーセントのドライバーたちが、彼の指導から恩恵を受けたといえるだろう」

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