漁船のレーダー調整不十分 20年長崎・壱岐沖2人死亡事故

 2020年、長崎県壱岐市沖でイカ釣り漁船と遊漁船が衝突し遊漁船の釣り客2人が死亡した事故で、運輸安全委員会は27日、調査報告書を公表した。漁船の操舵室に死角があり、感度の調整が不十分なレーダーに頼って航行していたため前方の遊漁船に気付かなかったのが原因とした。

 報告書によると、漁船の乗組員はレーダーの適切な設定方法を知らずに使っていた。遊漁船の船長は周囲に他の船がいないと思って操舵室におり、漁船の接近に気付かなかった。安全委は気象状況などに合わせてレーダーを調整することや、船首を左右に振るなど死角を補う見張りをする再発防止策を提示した。

© 一般社団法人共同通信社