奥州市の国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹(まれき)所長)の研究者を含む国際チームは、巨大ブラックホールの周囲で起きている現象の撮影に成功した。銀河の中心に向かって落ち込むガスでできた円盤状の構造「降着円盤」と、猛スピードでガスが噴き出す「ジェット」を史上初めて同時撮影。解明されていなかった現象を直接的に捉えた今回の成果は、構造や形成の謎に迫る手掛かりとなる。
2019年に世界で初めてブラックホールの輪郭を撮影したと発表されたM87銀河の中心部を観測。地球から約5500万光年にある。18年4月の観測データを基に画像化し、巨大なブラックホールを取り巻くリング状構造を確認。検証作業を重ね、降着円盤と結論づけた。
今回の成果は26日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載。研究チームは27日、同観測所で記者会見する。