暴行巡り刑務官ら30人余処分へ 名古屋刑務所、13人を書類送検

名古屋刑務所=愛知県みよし市(共同通信社ヘリから)

 名古屋刑務所(愛知県みよし市)で刑務官が受刑者に暴行した問題を巡り、法務省が刑務官と上司ら三十数人について28日に停職を含む懲戒などの処分をする方針を固めたことが27日、関係者への取材で分かった。同刑務所は同時に特別公務員暴行陵虐容疑などで、刑務官13人を書類送検する方針。

 昨年12月、斎藤健法相が刑務官による暴行を公表。同刑務所で2021年11月~昨年8月、刑務官22人が受刑者3人に対し、顔をたたいたり、アルコールスプレーを顔に噴射したりした。

 暴行は長期間にわたり、法務省は上司の責任も免れないと判断したとみられる。同刑務所は関わりが深く、行為の悪質性が高い刑務官を書類送検の対象にするもようだ。

 名古屋刑務所では01年、消防用ホースで尻に放水された受刑者が死亡し、02年には革手錠で腹部を締め付けられた受刑者2人が死傷する事件が起きた。関与した刑務官らは特別公務員暴行陵虐致死罪などで有罪が確定した。

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